鯛は頭から腐る

ジャニーズ事務所の二度目の記者会見がやらせだったことが発覚した。 1社1問とか、応えに対してさらに質問する"さら問い"はNGといった"ルール"は総理会見をマネた悪弊。都合の良い質問や批判的な記者へのヤジや怒号を飛ばすサクラを仕込むのは株主総会のやり…

完成度の高い欧州ハードバップ

the diamond five brilliant これはよく出来た作品。端正なハードバップ、お洒落なジャケット、大名盤というわけではないけれど、とにかく完成度が高い。 プレイヤーが個性を競うハードバップではなく、グループのトータルサウンドで勝負しているところは現…

幸せを届ける仕事

ぶどうの収穫と出荷が終わった。 今年はシャインマスカットの栽培面積が広がって収穫量が増えたところに、原発汚染水の海洋放出で中国・香港への輸出が途絶したため、シャインマスカットの価格が大幅に下がったと報道された。 確かに農協の買取価格は下がっ…

焦る大統領と国連の終わり

国連の機能不全があらわになった。 安保理の常任理事国のうち、今回首脳が参加したのは米国のみ。戦争はロシア優勢でゼレンスキーの国連演説は空席が目立っていたという。ポーランド首相がウクライナ支援中止を表明するなど、ゼレンスキーへの風当たりは強ま…

現代UKジャズを鑑賞する

四谷のジャズ喫茶「いーぐる」の店主、後藤雅洋氏は、故中山康樹氏と並んでジャズの師匠といえる存在。その後藤さんの新著『ジャズ喫茶いーぐるの現代ジャズ入門』が出版された。 今どきのジャズはどうも面白くないなぁと思っていただけに、師匠にぜひ教えを…

ジャニーズ事務所より吉本興業

性被害はジャニーズ事務所内部に被害者が限られているが、吉本の害悪は社会全体に及んでいる。メディアの問題として、より根深いのはこっちだろう。

ジャニーズ事務所の会見に思う

さまざまな意見が飛び交っている。 名称変更しない等、不満に思うところはあるけれど、なにしろこれだけ正直に答えた記者会見は記憶がない。良い記者会見だったと思う。記者会見といえば、射殺された元総理をはじめ、嘘を吐くか、「お答えは差し控えさせてい…

ハンプトン・ホーズのあり得た未来

hampton hawes bird song 1950年代の2つの未発表音源を組み合わせたアルバム。投獄前のハンプトン・ホーズは絶頂期で、1曲目のパーカーナンバーから元気いっぱいにぶっ飛ばす。 20代の若きハンプトン・ホーズには武骨さと華麗さを兼ね備えた独特の魅力がある…

乗鞍岳下山行

かみさんがコロナに罹ってしまい、治ったとはいえ体力が戻っていない様子。当初予定していた裏銀座縦走は断念し、空木岳に変更したが、直前になって空木に行く自信がないと珍しく弱音をいう。リハビリを兼ねて手軽に歩けるところへ行こうと行先を乗鞍岳に変…

能楽初体験

知人からチケットを譲ってもらい、初めて能楽を観にいった。 事前に予習をして国立能楽堂に臨んだものの、何を言っているのかわからず、始まってすぐにストーリーが追えなくなってしまった。 でも、つまらないかといえばそんなことはない。異世界の不思議な…

REDレーベルの名品

red records all stars together again for the first time リズム陣は晩年のスタン・ゲッツを支えた名脇役、ケニー・バロンとヴィクター・ルイス。フロントはREDレーベルからいくつかリーダー作を発表しているボビー・ワトソンとジェリー・バーガンジ。 ケ…

祝・復活 伊藤新道

いちばん好きな山小屋はどこかと問われたら、三俣山荘か北穂小屋かで迷う。 好きな山小屋はほかにもいろいろあるのだけれど、この2つの山小屋は幸福感に満ちている気がする。どちらもコーヒーが美味しい。それがそんな印象を抱く理由なのかもしれない。伊藤…

イミテーションゴールド

cindy blackman code red ジャズっぽくないジャケットに引いてしまうが、中身は聞き応え十分のハードバップ。録音は1990年。リーダーの赤のボディコンがバブルっぽい。黄金のトニー・ウィリアムスクインテットとメンバーが重なっているわけではないけれど、…

Vinyl人気に背を向けながら

Vinylという単語を目にするようになったのはいつからだろう。 5〜6年前くらいからかと思ったら、少なくとも2013年にはこんなものが出されていた。 vol.3が2013年だから前年くらいからVinylという表現が登場したに違いない。 Vinylとはアナログレコードのこと…

倫理を欠くビジネスモデル

しばらく前から携帯がおかしくなっていたが、ついに文字がまともに打てなくなってしまった。修理しても完全に直る保証はないという。機種変更するしかない。 思うようにならない画面と格闘しながら、WEB上でなんとか端末を購入。docomoショップで端末を受け…

ビル・エヴァンス94回目の誕生日に

bill evans paris concert edition two 8月16日はビル・エヴァンスの誕生日。1929年生まれだから、生きていれば94歳ということになる。 誕生日を祝ってエヴァンスを聴こうと、ピックアップしたのは、没後発表されたこの作品。晩年のエヴァンスの美しい演奏を…

湖東に吹く風

めったに出かけない義母がどこかに行きたいという。早起きして琵琶湖畔までクルマを走らせ、近江八幡と彦根を回った。上高地は外国人だらけだったが、3連休前のせいか近江八幡は観光客も少なく、ストレスを感じることはない。彦根城も同様。外国人を見かける…

ピークを踏まない山登り

初心者向けルートかと思っていた表銀座。大天井岳から先はけっして楽なルートではなかった。とくに西岳から水俣乗越への下りはあまり整備されておらず、いくつか危険箇所があった。 槍ヶ岳には登るつもりはなく、水俣乗越からそのまま下山。結局、燕岳には行…

プチ東北旅行

「温泉に行きたいっ!」とかみの声。 このくそ暑いのに温泉?と言いかけたが、農作業が一息ついて、とにかく遠出したい様子。ならば、せめて猛暑を逃れて東北の温泉へ行きたい。急きょ宿を探すと、秋田・乳頭温泉の鶴の湯に空きがあるようだ。よし、行こう。…

コマウスユキソウ

今年は久しぶりに縦走をしたい。でもテントを背負って歩く自信がない。そこで手近な木曽駒ヶ岳で足慣らしすることにした。 標高2612mの千畳敷カールまでバスとロープウェイで運んでくれる。そこから頂上直下のテント場までは1時間半程度。テント装備で最初の…

Talkin' About J.C.

Grant Green Talkin' About! 7月17日はコルトレーンの66回目の命日。かつて、この日は一日中コルトレーンだけをかけるジャズ喫茶があったと記憶している。ジャズといえば、まずはコルトレーンという風潮があったのだ。連日の猛暑、命日とはいえ、とてもコル…

哀悼 りゅうちぇる

吉本芸人のように徒党を組むことも媚びることもない。ピュアでナイーブ、いつも真摯で一生懸命。そんな姿勢がテレビから伝わってくる人だった。 嘘偽りのない発言や行動とひきかえに、ボロボロに傷つき、深い孤独に苛まれていたのだろう。 SNSでの誹謗中傷が…

濡れない雨

東京と伊那谷間をクルマで移動する際、無料版spotifyでさまざまな音楽を聴く。AIで生成されるプレイリストを流していると、記憶の彼方にあった歌が突然流れてきたりする。何が出てくるかわからないのが楽しい。 先日、荒井由実時代のユーミンによく似た歌が…

欧米かぶれの70歳

山下達郎夫妻は日本のポップミュージックを牽引してきたミュージシャンの空疎さを象徴している。海の向こうの文化に憧れ、一生懸命コピーして心地よい音楽に仕立てて生計を立ててきた70歳の老人に過ぎない。 正義や倫理よりも義理人情が優先するのは、かつて…

平日の山歩き

天気予報を見ると暑すぎて野良仕事は厳しそう。葡萄の袋掛けと消毒も済んで一段落したので、お休みにして霧ヶ峰周辺に遊びに行くことにした。 平日の天気の良い日にさっと山歩きに行けるのは、サラリーマンを辞めた特権。道は空いてるし、人も少ない。 鷲ヶ…

順調に生育中

今年の葡萄は失敗と思っていたが、杞憂だったようで、ここにきてだいぶ生育が進んだ。ホッとすると同時に果樹の生命力に驚く。 摘粒して袋掛けをすれば葡萄は一段落。そうすれば平日に山にも行ける。 葡萄の世話を終えた後は、猫と遊ぶ至福の時間。幸福な日…

なんの感慨もなく

今月末をもって長年勤めた会社を退社、昨日が最終出社だった。サラリーマン失格の自分でも、この会社ならやっていけるかもしれはないと思って入社したが、なんとか勤め上げることができた。同年代の多くが合併や統合、経営危機などで転職を経験しているなか…

米国のゴールデンエイジとソニー・ロリンズの逸品

sonny rollins quintet rollins plays for bird このアルバムがソニー・ロリンズの代表作として取り上げられることはない。でも、ミドルテンポでゆったりアドリブを綴っていく演奏には不思議な魅力がある。 緊張感溢れるスリリングなアドリブの応酬ではなく…

圧巻の古代メキシコ展

有給休暇消化期間に入り、会社から解放されてほんとうに気が楽になった。これでお金の心配もなく暮らせたら言うことがないのだが、そうもいかない。まぁ、なんとかなるさ。せっかく自由になったのだから、混雑を避けて平日に活動しようと、開催中の『古代メ…

森山威男のドラミングを浴びる

森山威男 take 0 90年代以降の森山威男のアルバムは、メンバーこそ違えど、どれも似たような内容で、やや食傷気味だった。このアルバムも若手テナーのワンホーンということもあって、食指が動かず購入を見送っていだが、いよいよ入手困難になりそうなので、…