2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

昭和の哀感

1970年代の日本のジャズの熱気を受け継ぎ、新たな創造を行うことを謳ってスタートしたDays Of Delight レーベル。第一弾の土岐英文『Black Eyes』は期待どおりの力作だった。第2弾として昨年発売されたのが、峰厚介のワンホーンカルテットによる『Bamboo Gro…

その先の日本へ。

先週末、かみさんが「尾瀬のニッコウキスゲを見たい」といい出した。 おいおい、感染者が増えているときにGO TOキャンペーンはありえないと言っていたじゃないの。日帰りで行くとなると朝4時頃には家を出ないといけないぞ。そもそも雨予報だし‥。 長年の付き…

梅雨明けを待ちわびて

梅雨がなかなか明けてくれない。夏に日差しがないと作物の出来が良くないし、遊びにも行けない。ウイルスは飛散しにくいし、外出も控える人が多くなるので感染拡大防止には良いのだろうけれど、これだけ日差しがない日が続くと気が沈む。あと1週間ぐらいでス…

弛緩と腐敗

自殺した近畿財務局職員の妻が国と理財局長を提訴した裁判がはじまった。テレビがいっせいに公判開始を報じたのは、異例のことではないかと思う。35万という数の署名がメディアを動かしたのであって、画期的なことだと思う。 森友問題の経緯を振り返る映像を…

五十嵐一生の現在地

五十嵐一生 Ballads of sullen horn man 五十嵐一生は卓越した技術と美しい音色、現代的なアドリブフレーズ、すべてを兼ね備えたトランペッターとしてシーンに登場した。テナーの竹内直とのフロントラインは、まるで「美女と野獣」のように対照的で魅力に溢…

川の氾濫とリニア新幹線

日田はとても好きな町。美しい川辺の風景。のんびりした佇まい。昔町の豆田町も楽しいし、温泉まである。足を伸ばせば小鹿田焼の里。 その日田で川が氾濫したという。ニュースは筑後川上中流と報じているが、日田の町を流れる三隈川は筑後川と同じらしいので…

追悼 エンニオ・モリコーネ

Yo-Yo Ma Plays Ennio Morricone エンニオ・モリコーネが亡くなった。 マカロニウエスタン映画の印象が強かったモリコーネが自分のなかでニーノ・ロータ級の巨匠へと変わるきっかけになったのが『Once Upon A Time In America』だった。この映画はモリコーネ…

プレステッジのブルースセッション

outskirts of town プレステッジにはブルースとジャズの境目のようなセッション録音がいくつかある。これもそうした1枚。 ジャズの歴史には詳しくないので確かなことはいえないけれど、ブルースが都市で洗練されて、その先にジャズがダンスミュージックとし…

ジョニー・マンデルの名曲

「The Shadow Of Your Smile(いそしぎ)」の作曲者ジョニー・マンデルが亡くなった。享年94。 『いそしぎ』はたくさん名演があるような気がするけれど、真っ先に思い浮かんだのはアート・ペッパーの今はなき新宿厚生年金会館でのライブ。賛否両論ある後期の…

日本の民度はかなり低い

かつて入社案内という冊子があった。売り手市場で採用難の時代、各企業が費用を投じて制作していたのだ。そんなときに、会社の先輩がある企業の入社案内で村松友視に原稿を書いてもらったことがあった。上がってきた原稿を見た先輩は「これ、いいよな」とい…

巨漢と巨人の巨匠たちによる名盤

Oscar Peterson Trio with Milt Jackson Very Tall 口数の多い男は好まれない。それはジャズも同じだ。 ソニー・クリスは若い頃ペラペラと吹いて薄っぺらだったし、コルトレーンは無機質な音を垂れ流して失笑を買った。フレディ・ハバードは天才だが大言壮語…