本格派投手ソニー・スティットのテナー

sonny stitt stitt's bits

レスター・ヤングの流麗さとチャーリー・パーカーのスピード、ブルージーさを兼ね備えたソニー・スティットのテナー。その素晴らしさを認識したのは近年のこと。
きっかけはこのアルバムだった。
1950年の古い音源だが、すでにテクニックは完成されている。伸びやかに歌うスティットの演奏は衒いがなく爽快。

スティットが日本であまり人気がないのは、『Stitt Powell & JJ』や『Pen Of Quincy Jones』が代表作とされてきたことが影響している気がしてならない。前者で初めてスティットを聴いた自分などは、スティットはアルトに限ると思い込んでしまった。

伸びのあるストレートで真っ向勝負を挑む本格派投手のようなソニー・スティット。その華麗な演奏を味わうには、ジャケットもタイトルもばっちりキマったこのアルバムが最適だ。古い録音だが音も悪くない。

スペインに勝った!

早朝からW杯スペイン戦を観戦していた甲斐があった。ドイツに勝利したのに続いてスペインにも勝ったのは歴史的快挙だし、ドイツ戦がまぐれではなかったことを証明したという意味でも大きい。
ゴルフのマスターズとサッカーのWカップは日本が優勝することはないだろうと思っていたが、松山英樹がマスターズで優勝したことを思えば、近い将来、日本がWカップで優勝することもあり得る気がしてきた。

それにしてもドイツが2大会連続で予選リーグ敗退し、スペインも日本に敗れるなど誰が予想しただろう。ベルギーも予選リーグ敗退となった。
欧州は自分たちに有利なように、ルールをつくったり変えたりするけれど、サッカーはそれができない。これは欧州の時代の終わりの始まりかもしれない。

政治や経済で世界を制覇した国はやがて衰退し、代わりに芸術文化、娯楽などで覇権を確立する。Wカップでの日本の躍進は、経済で世界を制した日本が衰退したことと地続きなのだろう。それはそれで幸福な道に思える。

トミフラ by ヴァン・ゲルダー

tommy flanagan nights at the vanguard

アルバム全体を通して感じる品の良さと柔らかさ。トミフラの全作品のなかでも5指には入る名品といって良いのではないだろうか。この作品と『Let's』が自分の中では最上位に位置する。
トミフラのピアノの音がこれほど美しくとらえられた作品はほかにない。ルディ・ヴァン・ゲルダーの仕事に感服。

ようやく入手

山田 脩二『日本村』

数年前、常滑にあるINAX文化施設を訪ねた際に目にして以来、ずっと欲しかった写真集。13200円という価格に尻込みしていたが、思い切って購入した。
高度成長期以降の貴重なモノクロ写真が日本の変貌を見事にとらえていて興味は尽きない。ドキュメント写真として最高の一冊。

W杯所感

ドイツ、イングランド、イラン‥‥各国のチームがカタールの差別に対して抗議するなかで、日本チームはどこ吹く風。代表チームに責任はないとはいえ理念なき国の精神的劣等性を露わにした。
国威発揚を目論む勢力に煽られて国民は勝利に熱狂し、敗戦に冷めていく。国際映像がとらえる日本のサポーターたちの異形さは帝国軍人を見る思いがした。

栗きんとん食べ比べ

中津川と恵那に栗きんとん屋さんがこんなにたくさんあるとは知らなかった。どこがいちばん美味しいか、ネットではさまざまな情報が飛び交っている。この際4種類買い集めて食べ比べに挑戦してみた。

銘柄がわからないよう半分づつ切ってお皿に並べる。どれも美味しくて、正直、味の違いはほとんどない。あえていうなら粘度と甘さに微妙な差があるくらい。評価は難しいが個人的には恵那の寿屋を第一位としたい。
それほど好きなわけでもなかった栗きんとん、食べ比べしているうちに、すっかり好きになってしまった。

左から恵那川上屋、寿屋(恵那市)、すや、川上屋中津川市

ニーノ・ロータの音楽絵巻

richard galliano nino rota

2011年、ニーノ・ロータ生誕100年を記念してドイツのグラモフォンレーベルからリリースされたリシャール・ガリアーノによるニーノ・ロータ集。

「映画で使われたオリジナルの形に敬意を払うためには、シンプルでリアルで、かつアレンジし過ぎないような音を求めていくことが重要なんだ」

こうガリアーノがいうように、ジョン・サーマン、デイヴ・ダグラスといった曲者メンバーを起用してニーノ・ロータの音楽を忠実に再現している。
ジャズと思って聴くと肩透かしを食らうけれど、フェリーニやコッポラの映画を思い起こしながら、華麗で郷愁を誘う音楽を味わうのは、このうえない贅沢。