covid-19は変異している

大阪ではこの1ヵ月で41人が死亡、そのうち35人は重症に至る前の段階で亡くなっている。昨日は1日で12人が亡くなった。死に至るまでがこれまでとは違う。これは夏の東京・埼玉型ではなく、ウイルスがまた変異している可能性が高い。
今回は欧州型ではないかという話もある。スイスでの急激な感染拡大をみると、これから欧州のような危険な状況になってもおかしくない。

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海外の状況を報道しないのは、五輪開催が不可能だということがバレるからと考えるのは穿ち過ぎだろうか。NHKの特派員はみな日本に引き上げてしまったわけでもあるまい。公共放送は真面目に仕事をしてもらいたい。

ただちにGo Toをストップし、医療体制を整えなければならないはずだが政府の動きは鈍い。医療体制を拡充しない理由がわからない。医療を米国に売り飛ばす下準備なのだろうか。
そうでなければ良いが、その場合、現政府は想像以上に無能ということになる。どちらにせよ国民にとっては不幸だ。旅行業者に金を回している場合ではない。

プロ野球の格差拡大と教育

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日本シリーズソフトバンクの4連覇で終わった。『煙草と巨人ファンはやめられない」と思っていたものの、ずいぶん前に両方ともあっさりやめたので、この結果については何の感情もわかない。
それにしても2年連続日本シリーズ4連勝というのはちょっと異常事態ではないだろうか。
これは決して偶然ではない。リーグ間、チーム間の力の差があまりに大きいことは明らかだ。資金力の差が戦力に直結しやすくなっていることもあるが、やはりカギを握っているのは育成システムだろう。

個人の成長を促す育成方法は企業社会でも重要度を増しているが、一定の方程式はない。さまざまな条件を鑑みてシステム設計を行う必要があり一筋縄ではいかない。そのうえ運用も大切だ。フロントを含めてスタッフのチーム力が問われる。

国家レベルでいえば、国力を高めるカギは教育が握る。したがって近年の日本の国際社会における地位低下、凋落の原因を明らかにするには、学生運動以後の教育行政を再検証する必要がある。
歴代文部科学相の顔触れだけ見ても、劣化は明らかだが、それは現在も継続中で暗澹たる思いになる。
物事に対処する基本的な「構え」を教える社会的仕組みが必要なのに、教育行政は危うい方向に向かっている。処方箋はないが、まずは政権交代しなければ道は開けない。

ツボを押さえたコルトレーン集

Jean Toussaint impressions of coltrane
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ジャズメッセンジャーズでは地味な脇役にすぎなかったジーン・トゥーサンだが、ここではコルトレーンフォロワーとして最良の仕事をしている。

1曲目は『coltrane plays the blues』収録の名曲「Mr.Syms」。このゆったりとした始まり方がアルバムの印象を決定づけている。
ジーン・トゥーサンは衒いなくコルトレーンの名曲を原曲に忠実に、コルトレーンのように演奏し続けるだけだ。腕利きのメンバーたちも鉄壁の仕事ぶり。マッコイ役のジェイソン・リベロは当時まだ10代。この後ケニー・カークランドの後釜としてスティングのバンドに迎えられることになる。

コルトレーンの魅力を完璧に抽出したジーン・トゥーサンに感服。選曲も素晴らしい。
身構えずにコルトレーンを味わえる名作だ。

意外にもリバーサイドレーベルらしさが表れた1枚

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手書き文字と色づかいが素敵で入手したリバーサイド盤。ジャケットデザインはポール・ベーコン。この人はブルーノートの10インチ盤のデザインも手がけている。ただブルーノートの10インチ盤のデザインは個人的にはあまり感心しない出来だ。

ポール・ベーコンはリバーサイドで数多くのジャケットデザインを行っている。さまざまなテイストのものがあって、一見してそれとわかるような個性はない。後に本のカバーデザインを中心に仕事するようになり、携わったものは生涯で6500を数えるという。アーティストではなく職人だったのだろう。
この『New Blue Horns』のジャケットデザインはアーティストとしての面が表れているように思う。特定のミュージシャンの作品ではないため、自由にやれたのではなかろうか。

さて、この盤の内容はといえば、アウトテイク集ながら、なかなか面白いオムニバスアルバムになっている。クラーク・テリーとモンクの『in orbit』セッションは組み合わせの妙で味があるし、ナット・アダレイケニー・ドーハムの貴重なセッションも収められている。
単なる寄せ集めではなく、選曲も含めてしっかりと編集がなされている。丁寧な仕事はジャケットデザインだけではない。

リバーサイドレーベルの創設者でプロデューサー、オリン・キープニュースがコロンビア大卒業後に選んだ職業は、出版社の編集者だった。その後、ジャズ雑誌『J azz Changer』の編集に携わるようになる。そこに執筆者として加わったのがポール・ベーコンだった。
リバーサイドはジャズ雑誌の編集部に集まったメンバーが母体となって発足した。そんなレーベルカラーが表れた、丁寧に編集されたオムニバスアルバムということができるだろう。

スローダウンしよう

三連休は父の17回忌で久しぶりに帰郷した。正月以来だからほぼ1年ぶりとなる。
時が経つのは早いもので、16年で変わったものもあればまったく変わらないものもある。その差が自分のなかで極端に映るのは何故なんだろうかと考える。きっと、変わらないことを前提としていて、変わってしまったものを見ると拒否反応に傾くことが多くなったからだろう。要は歳を取ったということだ。

the jazz giants '56
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近ごろ中間派といわれる面々の職人芸を素直に楽しめるようになった。このアルバムもレスター・ヤングロイ・エルドリッチの寛いだ演奏が心地よい。テディ・ウィルソンのピアノも久しぶりに聴く。こういうゆったりしたジャズを聴く気分になるのは、コロナで時間的余裕が生まれたおかげかもしれない。

コロナですべてがスローダウンしてくれれば、それはそれで良いのだが、そううまくはいかないのが世の常。人を追い立てることで給料をもらっている人のなんと多いことよ。嗚呼、日本が地盤沈下するのも当たり前だ。

記憶を失った町

高田松原津波復興祈念公園は3つの施設から成る。追悼・祈念施設、東日本大震災津波伝承館、道の駅だ。

追悼・祈念施設は海に向かって道がまっすぐ伸び、途中に献花台があるだけだ。どこか広島の平和祈念公園を思わせる。モニュメントがなく、どこで追悼したらよいかわからないまま海に出た。

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美しい砂浜はすっかり消えてしまった。
堤防は思ったほど高くはない。

津波伝承館は国土交通省の広報施設なのだろうか、防災啓蒙施設といった内容で、津波の恐ろしさを伝える迫力が足りないし、住民目線での展示もない。これだけ市街地が壊滅してしまったのだから、震災前の町の姿を再現してほしかった。多くの人が訪れているだけに、とても残念に思う。

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旧市街地にはスーパーが一つ出来ているぐらいで、ほとんど店はなく賑わいはまったくない。
古い建物といえばお寺ぐらいだ。かつて幼稚園を併設していたそのお寺は、本堂の縁の下で蟻地獄を獲ったりして遊んだ場だが、地形も風景も変わってしまい、以前の場所と同じなのかどうかも定かではない。

かつての面影をしのばせるものは何もない。復興10年、記憶を失った町がそこにある。

40年前のブラック・ライブズ・マター

21世紀になっても人種差別問題が消えないという現実は、人類の精神は進歩しないということを証明しているかのようだ。Black Lives Matter運動もそのうち沈静化し、また事件が発生して抗議活動が起きる、その繰り返しが無限ループのように続く。沖縄問題も同じ構図にある。

marvin hannibal peterson angels of atlanta
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このアルバムはアトランタで起きた黒人児童連続殺害事件へ抗議するものとして発表された。録音は1981年だから40年前ということになる。
コーラスなどが政治色を感じさせるため敬遠されがちだが、聴かれないのはもったいない。輝かしいハンニバル、個性全開のジョージ・アダムスという強烈なフロントに負けじと珍しくケニー・バロンが熱いソロを披露しているのも一興。

ハンニバルが時代の流れから外れてしまったミュージシャンのように扱われているのが残念でならない。ギル・エヴァンスのオーケストラでも印象的なソロで主役を張っていた実力者だ。もっと評価されていい。

ブラック・ライブズ・マター運動に賛意を表して、ハンニバルを聴こう。つまらない若手トランペッターなど聴く必要はない。