2022-01-01から1年間の記事一覧

追悼 渡辺京二

渡辺京二が亡くなった。編集者として石牟礼道子を支え、思想史家として低い目線で日本の近代を捉え直した知の巨人。美しい生き方に感服する。享年92。合掌。

夜明け前のビル・エヴァンス

bill evans on green dolphin street 録音後発売されずに倉庫で眠っていた音源は何年経っても日陰の存在。どんなに内容が良くても名盤として認定されることはない。まるで非嫡出子のようだ。20年近く発表されずにいたこのアルバムもそんな一枚。 録音は1959…

おめでとう、メッシ!

これまでで最高の決勝戦だった。 わが家ではメッシにワールドカップを勝たせたい!とアルゼンチンを応援していた。そんな思いで観戦していた人は多いのではないかと思う。 世界のスーパースターたちが全力で闘う姿は無条件に美しい。そこにナショナリズムが…

しかしまあ何だなあ

軍事費倍増のための増税、原発依存路線への回帰、統一教会問題の誤魔化し、閣僚の相次ぐ不祥事‥‥。 この国はどうしてこうもダメなのか。自民党世襲政治家たちの自民党のための政治を変えられない日本人。 高度経済成長はクズ人間を量産してきたに過ぎないの…

定位置

かみさんから癒し写真が送られてきた。 選果場の隅がヤツらの昼寝場所。 仲良きことは美しきこと哉。長生きしてくれよ。

少し愛して、なが〜く愛して

Eddie Higgins Zoot’s Hymns エディ・ヒギンズのピアノは耳ざわりが良く聴きやすい。そんな資質を買われたのか、晩年、ヴィーナス・レーベルの看板ピアニストに迎えられ人気を集めた。 一方で、柳の下のどじょうを狙うヴィーナスが同路線のアルバムを次々と…

本格派投手ソニー・スティットのテナー

sonny stitt stitt's bits レスター・ヤングの流麗さとチャーリー・パーカーのスピード、ブルージーさを兼ね備えたソニー・スティットのテナー。その素晴らしさを認識したのは近年のこと。 きっかけはこのアルバムだった。 1950年の古い音源だが、すでにテク…

スペインに勝った!

早朝からW杯スペイン戦を観戦していた甲斐があった。ドイツに勝利したのに続いてスペインにも勝ったのは歴史的快挙だし、ドイツ戦がまぐれではなかったことを証明したという意味でも大きい。 ゴルフのマスターズとサッカーのWカップは日本が優勝することはな…

トミフラ by ヴァン・ゲルダー

tommy flanagan nights at the vanguard アルバム全体を通して感じる品の良さと柔らかさ。トミフラの全作品のなかでも5指には入る名品といって良いのではないだろうか。この作品と『Let's』が自分の中では最上位に位置する。 トミフラのピアノの音がこれほど…

ようやく入手

山田 脩二『日本村』 数年前、常滑にあるINAXの文化施設を訪ねた際に目にして以来、ずっと欲しかった写真集。13200円という価格に尻込みしていたが、思い切って購入した。 高度成長期以降の貴重なモノクロ写真が日本の変貌を見事にとらえていて興味は尽きな…

W杯所感

ドイツ、イングランド、イラン‥‥各国のチームがカタールの差別に対して抗議するなかで、日本チームはどこ吹く風。代表チームに責任はないとはいえ理念なき国の精神的劣等性を露わにした。 国威発揚を目論む勢力に煽られて国民は勝利に熱狂し、敗戦に冷めてい…

栗きんとん食べ比べ

中津川と恵那に栗きんとん屋さんがこんなにたくさんあるとは知らなかった。どこがいちばん美味しいか、ネットではさまざまな情報が飛び交っている。この際4種類買い集めて食べ比べに挑戦してみた。銘柄がわからないよう半分づつ切ってお皿に並べる。どれも美…

ニーノ・ロータの音楽絵巻

richard galliano nino rota 2011年、ニーノ・ロータ生誕100年を記念してドイツのグラモフォンレーベルからリリースされたリシャール・ガリアーノによるニーノ・ロータ集。「映画で使われたオリジナルの形に敬意を払うためには、シンプルでリアルで、かつア…

冠雪の中央アルプス

昨日の雨で南アルプスも中央アルプスも冠雪した。雪化粧したアルプスの峰々はほんとうに美しく神々しい。

りんごの収穫

今年はりんごの出来が良い。これだけ良いのは10年ぶりぐらいだと義父が言う。ぶどうも良かった。果物の出来が良いのは日照時間がしっかりとれて、陽差しをたっぷり浴びたからにほかならない。 ここ数年、天候不順が当たり前のようになっていただけに、季節が…

ジョー・ヘンダーソンのハードボイルドな世界

joe henderson meets kankawa ジョー・ヘンダーソンとオルガンのKANKAWAが共演したライブ音源。意外な組み合わせだが、ジョーヘンが"テナー・タイタン"と呼ばれはじめた1987年の録音。悪くなさそうな予感がするし、kankawaも好きなので入手してみた。1曲目の…

不遇の人、エルモ・ホープ

elmo hope trio & quintet 幼馴染でともに音楽を学んだバド・パウエルが脚光を浴びる傍ら、日の当たらない道を歩み続けることになったエルモ・ホープ。 このアルバムはエルモ・ホープが優れたミュージシャンであることを存分に証明する隠れ名盤。作曲能力の…

日本人の自画像

ウケ狙いでおちゃらけた発言を繰り返していた法相が更迭された。死刑執行の重みを受け止めることができない大臣の人間性に非難が集中したかたちだ。でもちょっと引っかかる。日本人はほんとうに死刑の重みを感じているのだろうか。世界的には廃止されている…

ジャンニ・バッソの色気

gianni basso plays ballads アドリブ云々ではなく、テーマの歌わせ方や音だけで圧倒するジャンニ・バッソ。晩年のバルネ・ウィランに代表されるように、欧州のテナーマンは色気がないといけない。 録音年月のクレジットもなく、得体の知れないアルバムだけ…

葡萄棚

補助金をもらって建設準備を進めていた葡萄棚がようやく出来上がった。嬉しそうなかみさんの報告に気分が明るくなる。 4年後にはここから収穫できるようになるはず。のんびり丁寧に美味しい葡萄を育てていきたい。

ようやく家づくりスタート

先週末、家づくりのため地場の設計事務所を訪ねた。 いくつかのハウスメーカーに接触し、プランと見積を出してもらったものの、どうしても満足できなかった。工務店にもアプローチしたが、価格は下がるもののプランはさほど変わらない。質感に不安があったり…

カーメル・ジョーンズに花束を

carmell jones quartet ブラインドで聴くとブルー・ミッチェル?と思ってしまうカーメル・ジョーンズ。ともにホレス・シルバー・クインテットに在籍していたという共通点がある。きれいな音色で、よく歌うところがホレス好みなのかもしれない。 やや線が細く…

トミー・フラナガンの知性と品格

tommy flanagan sunset and the mockingbird このアルバムは選曲が魅力的なことに加えて、トミフラ67歳のバースデイコンサートでオーディエンスがハッピーバースデイを歌って祝福する様子が収録されており感動的だ。演奏は生命力が漲っていて、この4年後に亡…

ハードバップ落ち穂拾い

Curtis Amy & Frank Butler Groovin' Blue 1950年代から1960年代前半、百花繚乱の様相を呈したハードバップ。ほんのりファンキーなマイナーチューン、個性豊かなミュージシャンたち。ジャズ人気はハードバップに支えられていたといって良いと思う。 有名なミ…

テレビ朝日、フジサンケイグループの傘下へ?

『朝日新聞政治部』を読んだ。第一線でならしたジャーナリストだけあって筆力がある。ぐいぐい引き込まれて一気に読み終えた。 登場人物に明らかな悪人はいない。新聞社だけあって魅力的な人ばかりだ。そんな人々が事態の進展にともない、それぞれの個人的な…

コロナ感染

最初は風邪かなと思った。ところが風邪薬を飲んでもいっこうに良くならない。22日に39度まで熱が上がり、これはもうコロナに感染したに違いないと判断。23日PCR検査を受けたところ陽性だった。ワクチンは3回接種しているし、週の半分はテレワーク。通勤はラ…

至福のセロニアス・モンク

thelonious monk plays duke ellington アナログ盤はほとんど処分してしまったが、モンクによるエリントン集は生き残った一枚。かつてはアンリ・ルソーの絵をあしらったジャケットが流通していて、このオリジナルジャケットのLPは貴重だった。アナログで所有…

知られざる名手の売れるはずのない傑作

carl saunders jazz trumpet カール・サンダースを知ったのはボブ・フローレンスのビッグバンドでの演奏だった。さりげなく流麗な美しいトランペットソロに、これは凄いと思ったら、西海岸ではすでにマエストロ的存在だという。LAを本拠地にするミュージシャ…

キュートな土偶と新しい風

益子参考館所蔵の遮光器土偶を見に行ってきた。幼児体型がキュートさを醸し出している。なんともユーモラスでかわいらしい。参考館を訪れたのは三度目。いつ行っても新しい発見がある。大谷石の蔵、茅葺きの母屋、作業場、登窯などが林のなかに点在する佇ま…

学び直しが必要なのは

政治が方向感を失っている。"新しい資本主義"を掲げていたかと思えば、"リスキリング"などと言い出す。さしづめ財界かアナリストの意見を鵜呑みにしたのだろう。政治家が発する言葉ではない。この人には信頼するブレーンがいないのだろか。これだけの不況の…