本格派投手ソニー・スティットのテナー

sonny stitt stitt's bits

レスター・ヤングの流麗さとチャーリー・パーカーのスピード、ブルージーさを兼ね備えたソニー・スティットのテナー。その素晴らしさを認識したのは近年のこと。
きっかけはこのアルバムだった。
1950年の古い音源だが、すでにテクニックは完成されている。伸びやかに歌うスティットの演奏は衒いがなく爽快。

スティットが日本であまり人気がないのは、『Stitt Powell & JJ』や『Pen Of Quincy Jones』が代表作とされてきたことが影響している気がしてならない。前者で初めてスティットを聴いた自分などは、スティットはアルトに限ると思い込んでしまった。

伸びのあるストレートで真っ向勝負を挑む本格派投手のようなソニー・スティット。その華麗な演奏を味わうには、ジャケットもタイトルもばっちりキマったこのアルバムが最適だ。古い録音だが音も悪くない。