2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

聴き比べ

The Pepper Nepper Quintet ペッパー・アダムスとジミー・ネッパーの双頭グループがあったとは知らなかった。トロンボーンとバリトンサックスという低音楽器同士をフロントに揃えた作品といえば、カーティス・フラーのブルーノート盤『Bone & Bari』。あちら…

ワタスゲ

県を跨ぐ移動が解禁になったので、久しぶりに温泉に行ける。軽く山に登れたらなお良い。どうやら浄土平のワタスゲが見頃らしい。尾瀬よりも手軽に行けるし、濁り湯もたくさんある。 というわけで福島へ。 ワタスゲは幸せな気分にさせてくれる。 つくづく歳を…

さよなら、オリンパス

オリンパスがカメラ事業をファンドに売却するという。カメラはもはやスマホで十分という時代だし、オリンパスは内視鏡メーカーに変わってしまった。いつか撤退するだろうとは思っていたけれど、売却というのは撤退より寂しく感じる。今使っているのがミラー…

ソニー・ロリンズの侠気を浴びる

よりによって自宅でテレワークが続いているときに、マンションの大規模修繕工事が始まってしまった。うるさいったら、ありゃしない。膨大な費用をかけて、やらなくても良さそうな工事をやるのだから余計に腹が立ってくる。 そこで、大人気なくも、大音量で音…

妄想のオールスタークインテット

勝手に自分だけのオールスターグループを編成してみるのはなかなか楽しい。妄想は男の特権、お金もかからない。 現代的なハードバップをやるならフロントは2管のクインテットにしよう。トランペットをトム・ハレルに決める。そうなるとテナーはマーク・ター…

ジョルジュ・ロベールのB級名盤

ジョルジュ・ロベールの代表作は、ケニー・バロンとのデュオ作ということになるのだろうか。あれは良いアルバムではあるけれど、スタン・ゲッツの代表作を『People Time』とするようなもので、いかんせん居心地の悪さが残る。 フィル・ウッズとの共演作はい…

チェット・ベイカーの引力

Philip Catherine I remember You ずいぶん前のことになるが、フィリップ・カテリーンはフランス国立のビッグバンドオーケストラを率いて来日し、「Live Under The Sky」に出演したと記憶している。そのときは現代的なグニョグニョギターを弾いていたような…

名手たちの歌伴を聴く

Helen Merrill you and the night and the music Verve傍系の仏GITANESレーベルは、1990年代に素晴らしい作品を数多くリリースしている。ヘレン・メリルのこのアルバムは、意外かつ豪華なメンバーがバックを務めている貴重な作品。菊地雅章、チャーリー・ヘ…

ハンク・ジョーンズの品格を味わう

ハンク・ジョーンズのピアノは「上品」「洗練」というのが衆目の一致したところとなっている。饒舌多弁ではないけれど華麗に演奏全体にムードを加えていく。それがまるでモノクローム写真のような美しさなのだ。マイルスの「枯葉」でのプレイがその代表では…

東京五輪の正体

持続化給付金の業務委託先をめぐって疑惑が広がっている。電通、パソナという政商に莫大な資金が流れていたことが判明。この期に及んで税金に群がるシロアリ企業にはあきれるほかない。 GO TOキャンペーンという恥ずかしい名称の景気浮揚策も、どうやら同じ…

追悼リッチー・コール

リッチー・コールが亡くなっていたことを知った。ゴールデンウィーク中の5月1日というから1か月以上前のことになる。彼の娘によれば、寝ている間に亡くなったという。老衰の自然死と報じられているが、72歳という年齢からは老衰とは考えにくく、突然死という…

シンクロニシティ

自民党はすっかり宗教右派になった。アメリカでトランプの共和党とキリスト教福音派がくっついたのと同じ構図といえる。ついでに言えば、トランプとアベは知的レベルがシンクロしている。これはシンクロニシティといっていいのだろうか。 政教分離は歴史の教…

考えられる最悪の結果

コロナウイルスに勝利宣言した日本。無策無能な政府でもなんとか抑え込めたのは、過剰なほどの清潔好きと強まる同調圧力のおかげにほかならない。 アジア人は重篤化しにくいということもわかってきたが、いったん罹ったら死を覚悟しなければならないのは、や…

巨匠の風情

marc johnson shades of jade この作品の素晴らしさをどう表現すればよいのだろう。 熱気や興奮とは縁遠いが、ヒンヤリしたECMサウンドではない。 小難しくはないが、メロディアスなわけでもない。 ジョン・スコフィールドのギターは抑え気味。 マーク・ジョ…

無観客ダービー

4月の非常事態宣言で覚悟はしていたが、なんとも寂しいダービーとなってしまった。競馬ファンにとっては、オリンピックが中止になるよりも、はるかにダメージが大きい。 緑の芝、風薫る季節。大歓声の中を、関係者の思いを背負ってゴールへ向かう若駒たち。2…