2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2023年を振り返る

潮目が大きく変わった一年だった。 三浦瑠麗がテレビから消え、ジャニーズはあっという間に崩壊し、パーティー券裏金事件で最大派閥として権勢を誇った安倍派は解体へ向かっている。経団連会長が責任者を努める大阪万博は東京五輪に続いて目も当てられぬ大失…

PERFECT DAYS

ヴェンダース作品を観るのは何年ぶりだろう。 小津安二郎を敬愛するヴェンダースらしい、静かな感動を呼ぶ美しい映画だった。 心優しく仕事に忠実な主人公・平山は口数が少ない。単調な日常に退屈するわけでもなく、ささやかな楽しみに満たされている。昭和…

壁を越えられるか

Kenny Garett Beyond The Wall 今年の漢字は「税」だという。2つの戦争で世界が混沌としているなかで、あまりのせせこましさに力が抜ける。2023年を振り返り取り出したのがこのアルバム。 音が軽いケニー・ギャレットだけど、本盤はそれが気にならない。最…

時すでに遅し

インボイスやマイナンバーカードをはじめ官僚のいいなりばかり。外交も米国への属国度合いを強めてしまった。支持率低下は遅いくらい。 統一教会との癒着にしろ政治資金パーティー問題にしろ、安倍晋三の仕込んだ悪業で非難されるのは可哀想な気もするけれど…

神童の成熟

2015年に『My Favorite Things』でデビュー、神童と呼ばれたジョーイ・アレキサンダー。メディアではこの年のベストアルバムに選ぶ人も多かったものの、当時11歳。いくらなんでもまだ子どもじゃないかとスルーしてしまった。それから8年、ディスクユニオンで…

深い愛情と熱量のある政治家が世の中を変える

前明石市長・泉房穂の講演をYouTubeで見た。立憲民主党の原口一博が主催する勉強会での映像だが、これが凄まじい迫力。心が揺さぶられ、涙がこぼれた。いま、人の心を動かす政治家はほかにいない。この人が応援に回った選挙は全勝しているのも頷ける。こうい…

ジェリー・マリガンの幸福感に満ちた白鳥の歌

gerry mulligan quartet dream a little dream ピアノ入りのワンホーンカルテットでジェリー・マリガンがゆったり丁寧に歌い上げる。リリースは亡くなる2年ほど前の1994年。 マリガンのワンホーン作品は珍しい。 チェット・ベイカーやボブ・ブルックマイヤー…

追悼 山田太一

脚本家の山田太一が逝ってしまった。 この人のドラマからは多大な影響を受けた。とりわけ『男たちの旅路』『早春スケッチブック』は刺激的だった。 世代間の対立や価値観のぶつかり合い、そこから生じる煩悶と葛藤を描いた作品群は、見る者にいかに生きるべ…