ジェリー・マリガンの幸福感に満ちた白鳥の歌

gerry mulligan quartet dream a little dream

ピアノ入りのワンホーンカルテットでジェリー・マリガンがゆったり丁寧に歌い上げる。リリースは亡くなる2年ほど前の1994年。
マリガンのワンホーン作品は珍しい。
チェット・ベイカーボブ・ブルックマイヤーといったレギュラーグループでのパートナーをはじめ、"ミーツシリーズ"でも美しい音色のスタイリストを共演者に選んでピアノレスで独自の柔らかいサウンドを追求してきた。

そのマリガンが晩年になってピアノ入りワンホーンで録音を残した。
これがとても味わい深い。マリガンのバリトンを追っていると、まるで架空の世界で展開する物語を読んでいるような気分になる。
人生の終わりにこんな素敵な作品を残したなら、きっと天国に行ったに違いない。