2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

バランスのとれたトリオ

リバーサイド時代のビル・エヴァンスは、新たな表現を追究する姿勢が前面に出ていて、それが凛とした香気を生んでいる。とりわけスタジオ録音盤は演奏が引き締まっていて、いっそう強くそれを感じる。ベースがスコット・ラファロからチャック・イスラエルに…

野沢温泉の優しさ

土地探しが一段落したこともあって、かみさんが誕生祝いに野沢温泉に招待してくれた。宿は「村のホテル 住吉屋」。野沢温泉は何度か訪れていて、麻釜のそばにあるこの宿には、かねてから泊まってみたいと思っていた。ステンドグラスをあしらった大正浪漫風の…

いまさらブルーベック

いかにも白人的なデイヴ・ブルーベック・カルテットは長年好みではなかった。ところがジョー・モレロのドラムに耳を傾けるようになり、このグループの演奏を楽しめるようになった。変拍子も難なくこなすジョー・モレロのドラミングは、キレが良く現代的で、…

丸くなる人

niels-henning ørsted pedersen this is all i ask 歳をとって丸くなるのは良いことに違いない。 若い頃とんがっていたり不良だったりした人ほど、歳を取ってカッコ良くなっていたりする。角がとれて人間に幅がでるということは優しくなるということでもある…

戦前の気配

安倍晋三が射殺されるという衝撃的なニュースが日本中を駆けめぐった。犯行動機は統一教会に家族を壊された容疑者が、同教会と密接な関係にある安倍晋三を狙ったものだという。安倍一族が統一教会と深い関係にあるのは確かとはいえ、強い殺意を抱く理由とし…

驚きのCD化

板橋文夫のデビュー作『濤』がCD化された。 代表曲「Good-by」はさまざまなバージョンがあるけれど、デビュー作でのピアノトリオ・バージョンは原点のようなもの。以前、このバージョンを収録したベスト盤CD 『WATARASE』が発売されたこともあって、アルバム…

不遇の名盤

物覚えが悪くなっている。とりわけ人の名前を覚えられない。直接会って話すことが減っていることもあるのだろうけど、なにしろ記憶に残らない。同年代に聞いてみると、みな同じらしい。やれやれ。脳のトレーニングを兼ねて、この時季にピッタリのアルバムや…

雨やどり禁止のマナスル山荘

かつての同僚夫妻と入笠山に出かけた。ゴンドラで標高1700mまで行ける楽ちん山。コロナ禍の昨年初めて訪れたが、 1週早いだけのほぼ同時期で、アヤメや九輪草の群落を見ることができた。この山の楽しみの一つがマナスル山荘のビーフシチュー。ちょうど昼に到…