雨やどり禁止のマナスル山荘

かつての同僚夫妻と入笠山に出かけた。ゴンドラで標高1700mまで行ける楽ちん山。コロナ禍の昨年初めて訪れたが、 1週早いだけのほぼ同時期で、アヤメや九輪草の群落を見ることができた。

この山の楽しみの一つがマナスル山荘のビーフシチュー。ちょうど昼に到着、2000円という価格にこんなに高かったかなぁと思いながら楽しみにしてきただけに迷わず列に並んだ。
4〜5人並んでいた程度だったが、どうやらつくるペースにあわせてオーダーを受け付けている様子。なかなか列が進まない。そのうち「ビーフシチュー売り切れました」という無情のお知らせ。並んでる時点で残り何人分かわかるはず。散々並ばせといて急になくなりましたなんて、そりゃないよと抗議したくなったがグッと呑み込み、やむなくカツカレーを食べることに。
揚げたてのトンカツが乗ったカツカレーは、これはこれで美味しい。でもやっぱりビーフシチューが食べたかった。

山荘前のテーブルで食べ始めたころには雲行きが怪しくなってきて、食べ終わるやポツリときた。すぐに本降りになりはじめたので慌てて下膳、そのまま山荘に避難した。
雷が鳴り響き、雨はどんどん激しくなる。登山客が山荘に避難しようと駆け込む。するとびっくりすることに「ここで雨やどりはできません」と拒否しはじめた。次々と駆け込もうとする登山客を入口で追い返す。われわれも「そろそろ出てください」と豪雨のなかで追い出された。宿泊者がチェックインする時間だからという。
雨は1時間近く降り続け、その間、公衆トイレの軒下には雨やどりする登山客が並んでいた。
突然の豪雨で避難する登山者を入口で追い返す山小屋などあってはならないはず。山小屋でなくホテルであっても、そんなことはありえない。マナスル山荘に行くことはありえない。いくらビーフシチューが美味であろうとも。