驚きのCD化

板橋文夫のデビュー作『濤』がCD化された。
代表曲「Good-by」はさまざまなバージョンがあるけれど、デビュー作でのピアノトリオ・バージョンは原点のようなもの。以前、このバージョンを収録したベスト盤CD 『WATARASE』が発売されたこともあって、アルバム単位でCD化されることはもうないだろうと思っていた。昭和のセンチメンタリズムを凝縮した「Good-by」を令和のサブスク時代にデジタル化してリリースするのは、一種の時代への抵抗にも思えてくる。

高円寺の「RARE」という中古ショップで、このレコードを見つけたときのときめきを覚えている。以来、二度と見ることはなく、一生持ち続けるつもりの墓場レコードというべき一枚だった。これで手ぶらで墓場に行けそうだ。