Vinyl人気に背を向けながら

Vinylという単語を目にするようになったのはいつからだろう。
5〜6年前くらいからかと思ったら、少なくとも2013年にはこんなものが出されていた。

vol.3が2013年だから前年くらいからVinylという表現が登場したに違いない。

Vinylとはアナログレコードのことと推測してはいたものの、この文字を巷で見ることが増えるにつれ、アナログレコードと何が違うのか、なぜこんな言葉が出てきたのか、モヤモヤが募った。
ネットで調べると、レコードの素材であるビニールから来ていて、読み方は「ヴァイナル」。 「DJとして活動しているヒップホップ・レゲエなどの若いリスナーの界隈で使われはじめた言葉」とのこと。ジーンズをデニムというのと同じと言われると納得する。

思えばアナログブームが起こり、2016年にはSpotifyがサービスを開始、サブスクが普及するにつれ、中古CDの価格は低下した。
CD派の自分にとっては中古CDが買いやすくなった一方、所有しているCDの価値も下がったわけで一長一短。かといってサブスクは無料の範囲でしか利用しないし、ヴァイナル人気が高まってもアナログレコードを買う気にはなれない。扱いに神経を使うのが嫌だし、アナログ盤の音を楽しむほど立派な再生装置を所有しているわけでもない。
やがてCDが生産されなくなったなら、今所有しているCDを聴くしかないと覚悟している。

わずかながらアナログレコードを所有している理由はジャケットの魅力にほかならない。なかでも好きなのがバド・パウエルの復刻盤。飾りたいと思いながらも、いまだに陽の目を見ることなく棚に眠っている。
また、いつかアナログレコードを手に入れたいと思っているのがジョニー・ホッジズの最高傑作。立体感のあるショットがたまらない。

二つとも真剣かつストイックに音楽に向き合う姿が捉えられた名作ジャケットだと思う。

The Amazing Bud Powell, Volume 2

Johnny Hodges With Billy Strayhorn And The Orchestra