NHKスペシャル「この素晴らしき世界 分断と闘ったジャズの聖地」という番組を見た。地下鉄で襲われ重傷を負ったニューヨーク在住の日本人ピアニスト、海野雅威が再びニューヨークのステージに立つまでの様子や、コロナで休業を余儀なくされたヴィレッジ・ヴァンガードが営業を再開するまでなどが映像で紹介されていた。
ヴィレッジ・ヴァンガードの店内は、映像はおろか写真でもあまり見ることがない。予想外に狭く、決してお洒落とは言えないことに、ジャズの置かれている状況を見るようだった。日本ではジャズ喫茶が次々になくなり、ライブハウスも風前の灯。本場ニューヨークのヴィレッジ・ヴァンガードぐらいは、なんとか生き残ってもらいたいと願う。
ヴィレッジ・ヴァンガードでのライブ盤といえばコルトレーンだが、アート・ペッパーのライブも懐かしい。
これは箱入りのLP3枚で保有しているのだけれど、CD時代になってからは針を落としていない。久しぶりに取り出して見たところサンプル盤だった。LP3枚組なんて、サンプル盤じゃないと高くて買えなかったことだろう。ふと、昔はサンプル盤のほかにカット盤といってジャケットの隅に切り込みが入っている輸入盤が安く出回っていたことを思い出した。
art pepper friday night at the village vanguard
LPでだいぶ聴いただけに、CDに買い直す気にはなれなかったが、LPの2枚目にあたる「金曜日」のみCDを入手した。このセッションのハイライトは「Labyrinth」。行きつ戻りつの哀感を帯びた曲調がアート・ペッパーの人生をなぞるようで印象深い。それにしてもアート・ペッパーと組んだときのジョージ・ケイブルスのピアノの美しさ！
