アル・ヘイグの白鳥の歌

al haig Blue Manhattan
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Interplayレーベルは、主宰者でプロデューサーの妙中俊哉という方がロス在住だったようで、カタログにはアート・ペッパークロード・ウィリアムソンなど西海岸のミュージシャンたちの音源が並ぶ。
そんなInterplayがわざわざ当時ニューヨークに住んでいたアル・ヘイグの録音に臨んだのは、1974年録音の名盤『Invitation』での演奏に惚れ込んだからだと思う。

離婚を繰り返し、しまいには妻の殺人容疑で逮捕されるという、激しい人生を送っていたアル・ヘイグ。リーダー作をリリースする機会もなくなり、1970年代を迎えた頃は過去の人となっていた。
英国に新天地を求めて

録音した『Invitation』は、このピアニストを再び表舞台に登場させることになった。突如レコーディングの依頼が増え、生活も安定したはずだ。そんな矢先の1982年、ヘイグは60歳の若さで逝ってしまった。
死の2年前に録音された『Blue Manhattan 』は『Invitation』に次ぐ代表作。狂気を秘めた辛口のピアニズム、枯淡や諦念とは程遠い"白鳥の歌"。