ジャズ・メッセンジャーズの隠れ名盤

Art Blakey & The Jazz Messengers
Gypsy Folk Tales

1970年代のジャズ・メッセンジャーズはメンバーも定まらず停滞期とされる。とはいえ1977年発表のこの作品は 、ウォルター・デイヴィス・ジュニアが数年ぶりにメンバーに加わって曲も提供、曲良し演奏良しで文句のつけようがない出来。これを聴けば、ウォルター・デイヴィス・ジュニアが想像以上に重要な役割を果たしたような気がしてくる。
1980年代に入ってウィントン・マルサリスの加入でJMが停滞期を脱し、突如クオリティがアップした印象があるけれど、ここで聴くサウンドはウィントン加入後のそれに似ており、変化は漸進的に進んでいたことがわかる。
革新的に見えることも、実は漸進的変化の結果であることが多い。不断の努力が時宜を得て花開く。
チャーリー・パーカーはそこらじゅうにはいない。