潮目が大きく変わった一年だった。
三浦瑠麗がテレビから消え、ジャニーズはあっという間に崩壊し、パーティー券裏金事件で最大派閥として権勢を誇った安倍派は解体へ向かっている。経団連会長が責任者を努める大阪万博は東京五輪に続いて目も当てられぬ大失敗に終わることが確実。さらに年末には文春が松本人志のレイプ疑惑を報じ、金づるを守るために根拠もなく疑惑を否定した吉本興業の反社会性が浮き彫りとなった。
日本を腐敗させてきた"アベノレジーム"がようやく音を立てて崩れはじめた。この流れは広がりこそすれ、止まることはないだろう。夜明けは近いと思いたい。
今年ほど訃報を身近に感じた年もなかった。ジェフ・ベック、大江健三郎、ウェイン・ショーター、山田太一‥‥そして坂本龍一。
坂本の没後、数多くの追悼文やコメントに接するたびに彼の音楽と人間性を愛していた人が多かったことを認識した。それはこの暗い時代において、救いでもあった。
坂本龍一 playing the piano 12122020
病と闘い、政治や社会に声を上げながら、坂本龍一の音楽は美しさと優しさを増していった。
一年の締めくくりに、この静謐で透き通っているにもかかわらず温かいピアノを聴こう。2024年が良い年になることを祈って。