ハードバップ落ち穂拾い

Curtis Amy & Frank Butler Groovin' Blue

1950年代から1960年代前半、百花繚乱の様相を呈したハードバップ。ほんのりファンキーなマイナーチューン、個性豊かなミュージシャンたち。ジャズ人気はハードバップに支えられていたといって良いと思う。
有名なミュージシャンでなくても良い作品があるのもハードバップの魅力で、隠れた名盤を探すのが楽しみでもある。とりわけ西海岸ではアレンジ過多のウエストコーストジャズが廃れ、1960年代に入ると黒人ミュージシャンによるハードバップが全盛期を迎える。このアルバムはそんな時代を象徴する一枚。

カーティス・アミーとフランク・バトラーという地味な二人の双頭グループだが、カーメル・ジョーンズがメンバーに名を連ね、さらに意外なことはボビー・ハッチャーソンが参加していること。ボビー・ハッチャーソン、このとき19歳。初録音と思われるが、クールなヴァイヴを響かせている。
聴く前はコテコテの泥くさいジャズを想像してしまうけれど、実際はブルージーながら洗練されたハードバップの逸品。