新生ブルーノートの隠れ名盤

New York Stories Vol.1
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このアルバム、ずいぶん前に処分してしまい、ちょっと後悔していた。
今から見ると超豪華メンバーだが、リーダーはジャズ畑ではないギタリストだし、ピアノは全くの無名。1992年の発売当時、ジョシュア・レッドマンは初リーダー作の発表前、ロイ・ハーグローヴは注目されはじめたばかりだった。目当てはボビー・ワトソンだったのだけれど、いまひとつ冴えない気がして処分してしまったのだ。

再入手しようにも、Amazonマーケットプレイスでは2000円以上の高値が付いている。ちょっと高いよなと断念していたところ、ディスクユニオンで580円で出ているのを発見。小躍りしそうになるのを抑えながらレジに向かった。

数十年ぶりに聴き直したが、若々しいストレートなハードバップは爽快で素直に楽しめる。古いといえば古いサウンドだけれど、全曲聴きどころがあって最後まで飽きさせない。なかでもギターのダニー・ガットンというギタリストがいい。
ところがこの作品の発表から2年後に、鬱病を抱えていたいこのギタリストは拳銃自殺してしまった。このためだろうか、Vol.1となっているけれども続編が制作されることはなかった。ジャズの歴史に埋もれてしまうには惜しいギタリストだと思う。