川の氾濫とリニア新幹線

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日田はとても好きな町。美しい川辺の風景。のんびりした佇まい。昔町の豆田町も楽しいし、温泉まである。足を伸ばせば小鹿田焼の里。
その日田で川が氾濫したという。ニュースは筑後川中流と報じているが、日田の町を流れる三隈川は筑後川と同じらしいので、日田の町が洪水被害を受けたのだろう。被害の全貌がわからない。
日田は九州の中心拠点として栄えた天領だ。歴史ある都市や町は、天災に襲われない安全な土地に形成されている。今回、日田で川が氾濫してしまったということは、過去数百年間の経験が通用しない時代になったということを示している。いまや日本のどこで川が氾濫してもおかしくはない。
毎年のように発生する豪雨被害は、温暖化の影響が思わぬかたちで表れていると考えるべきだろう。自然を支配することはできないし、科学で全てをねじ伏せることもできない。人間は万能ではない。わからないことだらけなのだ。それは原発事故で嫌というほど思い知らされたはず。

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JR東海のリニア計画も、歪んだ万能感のもとで進めているように思えてならない。路線のほぼ全域をトンネルの中を走らせるという計画も、大井川の原流域にトンネルを掘り、失われた水はまた川に戻せばいいだろうという考えも、奢りが横溢している。
膨大な電力を消費するリニアは、まるで原発だ。日本科学者会議が計画の撤回・中止を求める声明を出しているらしい。それでも葛西敬之の暴走を止められないのだろうか。