濡れない雨


東京と伊那谷間をクルマで移動する際、無料版spotifyでさまざまな音楽を聴く。AIで生成されるプレイリストを流していると、記憶の彼方にあった歌が突然流れてきたりする。何が出てくるかわからないのが楽しい。
先日、荒井由実時代のユーミンによく似た歌が流れてきて思わず聴き入った。EGO-WRAPPINのボーカル、中納良恵の「濡れない雨」という曲だった。
どこかノスタルジックで青春のほろ苦さを想起させられ、繰り返し繰り返し聴いた。

名曲を見つけたのが嬉しく、かみさんに報告したら、意外な反応が返ってきた。
「こういう曲がいいというのは、気持ちが穏やかになっているということだよ」
ふーん、そういう見方もあるんだと、あらためて「濡れない雨」を聴くと、なるほど優しい歌だ。
歌詞が頭に入らない自分に比べ、かみさんは歌詞に鋭敏で表現している世界を瞬時にとらえる。感性といってもアプローチの仕方はまったく違う。
荒井由実時代のユーミンは今から半世紀近く前になる。「濡れない雨」は荒井由実を知らない世代にどう響くのだろう。