2023-01-01から1年間の記事一覧

カーラ・ブレイの名曲を菊地雅章のピアノで

カーラ・ブレイに「Utviklingssang」という曲がある。ノルウェー語のようで、読みも意味もわからない。Google翻訳で調べると、「開発曲」という訳が出てきた。意味不明だが、どうやらダム建設による環境破壊への抗議を表明した曲らしい。もの哀しい旋律が印…

和歌山の旅 3日目

3日目は大門坂から古道を歩いて、那智大社、那智の滝をめぐる那智山観光コース。 10年以上前になるが、伊勢、鳥羽を経由して新宮までは来たものの那智まではたどり着けなかった。ようやく訪れることができた。補陀落渡海や平維盛供養塔があるせいだろうか、…

和歌山の旅 2日目

ミカン畑が広がる有田から山奥に走ること22km、有田川が蛇行するところに円形の棚田、あらぎ島はある。小さな棚田だが個性的で美しい。写真を見て以前から見てみたかったが、目の前に広がる奇跡的な風景の美しさに言葉が見つからない。醤油発祥の地とされる…

和歌山の旅 1日目

GWは2泊3日和歌山の旅。お目当てのあらぎ島と那智が紀伊半島の東西に離れているので、ぐるっと回ることになる。反時計回りに回ることにし、初日は和歌山市に宿をとった。 途中の橿原に昔町があることを思い出し、橿原に立ち寄った。寺町として誕生した今井町…

残雪の中央アルプス

朝霧がたなびく伊那谷に中央アルプスが映える。残雪期の山の美しさは筆舌に尽くしがたい。

アウト・オブ・ザ・クール

NHK「英雄たちの選択」でナビゲーターの磯田道史が「社会を変えるには気魄や執念といったものが要る」といった主旨の発言をしていた。 いま、このようなことを言う人は少ない。当たり前のことながら、真正面から直球を投げられたようでドキッとした。日本の…

チェット・ベイカーになれなかった男

Tony Fruscella & Brew Moore Quintet The 1954 Unissued Atlantic Session "トランペットの詩人"トニー・フラッセラとレスター・ヤング直系のブリュー・ムーア、この二人による双頭コンボの未発表音源。 ニューヨーク録音だが、ときにウエストコースト風で…

東濃と奥三河の旅

日本三大山城の一つ岩村城。その城下には古い商人町がある。観光客は多くなく外国人もいない。山城、美しい町並み、無料開放されている旧家の建物、観光資源は豊富だ。佐藤一斎の出身地でもあり、通りの家々の玄関先には佐藤一斎の言葉が掲げられてらいる。…

すべてを赦し、包み込む歌

坂本龍一の2019年のインタビュー記事が日経ビジネスのネットに再掲されていた。治療中はいっさい音楽を聴いていなかったが、体力が回復してからは、フランスの作曲家フォーレやキューバの歌手、オマーラ・ポルトゥオンドの歌を聴いたと語っていたのが興味深…

追悼 坂本龍一

坂本龍一が亡くなった。だいぶ前から、長くないのだろうとは思っていた。とはいえ、こうして訃報に接すると強い喪失感に襲われる。ほんとうに残念でならない。YMOには関心がなかったが、"散開"後のソロになってからの諸作はどれも魅力的に思え、リアルタイム…

妖怪の孫@吉祥寺

こんな映画を観に行くのは年寄ぐらいだろうと思いつつ、アップリンク吉祥寺まで出かけた。 小さい劇場ながらほぼ満席。70代が多いとはいえ40代も結構いて、予想外に年齢層は幅広かった。都内でも新宿ピカデリー以外はマイナーな小劇場でしかやってないせいな…

ズレと揺らぎのスイスジャズ

matthieu michel featuring richard galliano ESTATE スイスのトランペッター、マシュー・ミッシェルの1995年作。リーダーは無名だがティエリー・ラングやリシャール・ガリアーノが参加しているので、そちらを目当てにした人が多いはず、というかほとんどか…

ロストセッションの名盤

Stan Getz Bossas & Ballads The Lost Sessions ロストつながりで「ロストセッション」を取り上げようと思う。スタン・ゲッツ晩年の1989年録音、発売は2003年。14年をほどお蔵入りしていた音源だ。シンプルなタイポグラフィのキリッとしたジャケット、選曲、…

ロストケア

かみさんに連れられ、映画『ロストケア』を観に行った。興味もなく当然ながら予備知識もいっさいなし。どんな話かもまったく知らずに行ったが、最初から最後までスクリーンに釘づけになった。 構想から映画化まで10年、脚本は23稿を数えたという。練りに練っ…

栗山英樹のリーダーシップ

準決勝メキシコ戦の興奮さめやらぬまま迎えた米国との決勝。しびれる試合を制して日本チームが14年ぶりの優勝を決めてくれた。大谷翔平が目立った大会ではあったが、吉田正尚の勝負強さ、近藤健介の職人的打撃術、安定感抜群の投手陣など触れ込みどおりの最…

水上も混雑の井の頭公園

地べたは人だらけ、池は白鳥だらけ。なんだかシュールな井の頭公園。

地元の味

飯田市の中心地にある満津田食堂。創業は明治20年というから135年を数える老舗だ。ここのエビ丼が美味しいという話を聞いて行ってみることにした。店の入口の左右両側、さらには建物側面にもメニューケースがある。計3面。メニューの豊富さが重要な地域なの…

ジーン・アモンズの魅力が詰まった好編集盤

gene ammons a stranger in town 麻薬を買い付けにハバナを訪れた男が街をうろついている。男がまき散らす危険な香りに、すれ違った女が振り向く。そんなシーンをイメージするジャケットに惹かれ入手。 ジーン・アモンズの1954年〜1970年のプレスティッジ録…

ケニー・ドーハムな春

まだ3月中旬だが、東京では桜の開花宣言が出された。コロナ禍も終息を迎え、街は喧騒を取り戻している。久しぶりに人の群れを浴びると一目散に逃げだしたくなる。4月になるともっと凄いことになりそうで今から気が重い。 桜が咲いても気分はちょっとブルー。…

個人的ウェイン・ショーター体験

一週間ほど前になるが、ウェイン・ショーターが逝ってしまった。高齢とはいえ、数少ない真のジャズ・ジャイアンツの一人だけに寂しさは拭えない。ジャズの歴史が終わりつつあるような気すらしてしまう。ウェザーリポートの「A Remark You Made」やスティーリ…

凶暴なり、パット・マルティーノ

pat martino desperado ロックからジャズに来た人にとってジャズギターは馴染みにくいと思う。三大ギタリスト、ブルースギターの三大キングなどを聴いた後に、ジョー・パス、バーニー・ケッセル、ジム・ホールといったところを聴くと刺激に乏しく、『オジン…

薪割り

かみさんの実家はりんごと干柿を生業としている。メインはりんごだが、りんごは消毒の回数が多いうえに重い。収穫も出荷も腰にくる。手伝いに行くたびに大変な重労働だと思っていた。80過ぎの年寄りにはなおさらで、思うように体が動かなくなったこともあっ…

隠れ名手の貴重盤

Dodo Marmarosa and Gene Ammons Jug & Dodo ジーン・アモンズのディスコグラフィーを眺めていて見つけた作品。意外な組み合わせに惹かれて入手した。 ドド・マーマローサといえばアーゴの『Dodo's Back!』。冒頭の2曲の優雅な雰囲気が良く、ときどき聴きた…

ウイニングチケット大往生

平成5年のダービー馬ウイニングチケットが死んだ。33歳というから大往生だ。ずいぶん前のことだが浦河のAERUまで会いに行ったことを思い出す。ウイニングチケットは柴田政人をダービージョッキーにするために生まれたような馬といわれる。ダービーの最後の直…

フィリー・ジョー師匠の至芸

philly joe jones trailways express 「ジャズは落語に似ている」といわれる。アドリブや演者の個性の違いを楽しむ点は共通だ。古典落語はジャズでいえばスタンダード曲を演奏するようなものといえる。名人の至芸を味わうのも同じ。この作品はそんな楽しみ方…

本田竹曠の1974年

Honda Takehiro Trio Live 1974 地を這うようなブルース、ソウルフルでどこか日本的な叙情。パワフルながら美しいタッチ。まさに不世出のジャズピアニストといってよい本田竹曠。 没後発売された1974年の鹿児島でのライブは熱気溢れる圧倒的な演奏だった。そ…

NEXCOの判断をめぐって

新築する家の設計打ち合わせのため、金曜日、雪予報のなか伊那谷へ向かった。 朝は事故で伊那〜駒ヶ根間が通行止めとなっていたが、雪が本格的に降りはじめると諏訪〜中津川間が通行止めになった。やむなく諏訪から一般道を走ったが、伊那市で国道に合流する…

ケニー・ドリューの佳き日

kenny drew for sure! コペンハーゲンに安住の地を見い出したケニー・ドリューは、1978年にLAを訪れ、ザナドゥ(Xanadu)に録音を残した。そのときの音源は2枚のアルバムとして発売されていて、いずれもハードバッパーとしての実力を発揮した作品となった。…

柚木沙弥郎展

日本民藝館で開催中の柚木沙弥郎展を見に行った。 印刷物では何度も目にしていたが、実物の型染めは大きくて色も美しい。これまで見たことのないモダンなデザインの近作も展示されていて、既存イメージを打ち破る創作活動を続けていることに感服。柚木が蒐集…

初リーダー作にして最高作

Howard McGhee: Introducing Kenny Drew Trio ブルーノート10インチ盤のハワード・マギー・オールスターズとケニー・ドリュー・トリオの演奏をカップリングした輸入盤を入手した。前者ではケニー・ドリューがピアノを弾いていて、あわせてケニー・ドリューの…