kenny drew for sure!
コペンハーゲンに安住の地を見い出したケニー・ドリューは、1978年にLAを訪れ、ザナドゥ(Xanadu)に録音を残した。そのときの音源は2枚のアルバムとして発売されていて、いずれもハードバッパーとしての実力を発揮した作品となった。
ピアノトリオの『Home Is Where The Soul Is』に対して、こちらはチャールス・マクファーソンとサム・ノートを加えたクインテットでの演奏。
Xanaduのドン・シュリッテンが用意した急ごしらえのクインテットながらコンビネーションはバッチリ。ケニー・ドリューのピアノは貫禄すら感じさせる。
残念なことにケニー・ドリューのXanaduでの録音はこれっきりとなった。売れ行きが芳しくなかったことは容易に想像できるし、そもそもマニアックで地味なレーベル。経営は順調とはいえなかったのかもしれない。
ハードバップ・リバイバルブームのなかで若かりし日々を思い出しながらセッションを楽しんだのだろう。ジャケットのケニー・ドリューの表情は明るい。聴いているこちらも幸福な気分になる佳作。