凶暴なり、パット・マルティーノ

pat martino desperado

ロックからジャズに来た人にとってジャズギターは馴染みにくいと思う。三大ギタリスト、ブルースギターの三大キングなどを聴いた後に、ジョー・パスバーニー・ケッセルジム・ホールといったところを聴くと刺激に乏しく、『オジンくさい』。ケニー・バレルでもその印象は拭えない。自分の場合はウェス・モンゴメリーの『smokin' at the half note』でようやくジャズギターに魅力を感じるようになった。

もしパット・マルティーノを早く聴いていれば、そんなことはなかっただろうと思う。この人のギターはオジンくささとは無縁。これほど泣かないギターも珍しい。斬り刻むようなフレーズの連続は圧倒的な破壊力がある。なかでもこのアルバムはドラムも暴れまくっていて凶暴さが増している。
デスペラードといえばイーグルスの名曲が浮かぶ。あちらは比喩的に聞こえるけれど、こちらはホンモノの凶暴なならず者。ロック以上にロックしている。