ジーン・アモンズの魅力が詰まった好編集盤

gene ammons a stranger in town

麻薬を買い付けにハバナを訪れた男が街をうろついている。男がまき散らす危険な香りに、すれ違った女が振り向く。そんなシーンをイメージするジャケットに惹かれ入手。
ジーン・アモンズの1954年〜1970年のプレスティッジ録音の寄せ集めだが、アルバムはいずれも廃盤になっていて、この編集盤でしか聴くことができない演奏ばかり。
中心は一度目の投獄から出所後の1960年代初めのセッション。この時期のアモンズは、後年のようにソウルに寄った演奏が多くなる前で、"ボス"にふさわしい迫力あるブロウをジャズの枠内で聴くことができる。マル・ウォルドロンウィントン・ケリーをバックにワンホーンでブロウする演奏なども含まれている。

ロリンズとコルトレーンをメインストリームとするこの国でジーン・アモンズにスポットライトがあたることはないけれど、このヤクザなテナーを楽しむには最適な好編集盤。ジャケットにビビる必要はない。