レッド・ガーランドのバラードプレイ

Red Garland Soul Burnin'
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プレスティッジに残したリーダー作はどれも似たようなものばかりのレッド・ガーランド。孤独感と諦念感に覆われた『when there are grey skies』は別格として、他のトリオ作は金太郎飴のよう。

ホーン入りならリバーサイドの『Red's Good Groove』がいいけれど、寄せ集めながらこの作品のクインテットでの演奏もいい。とりわけ「if you could see me now」は、この曲の最高の演奏ではないかと思う。複雑な恋心をそっと丁寧になぞるピアノ。沁みるバラードプレイなら、レッド・ガーランドの右に出る者はいない。
この優しさはコルトレーンとウィルバー・ハーデンの共演盤と同質のもの。キーマンはウィルバー・ハーデンに違いない。早逝があらためて惜しまれる。