bernie senensky quintet new horizons
リーダーは初見のピアニスト。個性的ではないものの、軽やかなタッチで安定感のあるプレイを聴かせる。職人タイプのピアニストだ。
目当てはエディ・ヘンダーソン。リーダー作ではマイルスライクな面を強く感じさせるが、ここではゲストプレイヤーとして存分にトランペットを吹きまくっている。
この人はどこかウディ・ショウに似ている。実力の割に過小評価されていることに加えて、なにしろプレイが生真面目。というか、生真面目すぎるのが過小評価の要因といえる。
トランペッターにはヤクザな不良性がほしい。「オレ、イケてるだろ?」という溢れる自己顕示欲、唯我独尊の我の強さがトランペッターの魅力の大きな要素でもある。
このカナダ人ピアニストのリーダー作は、ひたすらエディ・ヘンダーソンのトランペットに耳を傾けるべき作品だ。こぢんまりとまとまったリズム陣は若干迫力不足だが、エディ・ヘンダーソンのプレイは素晴らしい。クラシカルなジャケットデザインも生真面目な充実作。