portrait in black and white

チェット・ベイカー晩年の東京でのライブ盤を名盤たらしめているのは、「portrait in black and white」の素晴らし過ぎる演奏によるものだと思う。作品としての出来は『Let's Get Lost』のほうが上をゆくけれど、あの演奏がある以上、自分にとってチェットの最高作は『Live in Tokyo』で動かない。
このジョビンの名曲を演奏している作品を探して出会ったのが、エディ・ヒギンズのピアノによるバージョン。

eddie higgins portrait in black and white
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このピアニストはツボを押さえて柔らかく仕上げる。ここでのバージョンも期待を裏切らない。
ヴィーナスレーベルによって日本で人気ピアニストとなったエディ・ヒギンズ。エロジャケとオーバープロデュースでヴィーナスの作品はとても買う気にならないが、これはヴィーナスがエディ・ヒギンズに注目するきっかけになった作品で、プロデュースはエディ・ヒギンズ自身が務めている。「Lullaby of the Leaves」で始まる曲の並びもいい。