名脇役アーロン・ゴールドバーグに花束を

Fredrik Kronkvist Reflecting Time
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注目の若手ピアニストだったアーロン・ゴールドバーグも、いまや40代半ばになった。目立ち過ぎず調和を保ちながら輝きを放つピアノは、抒情的なケニー・バロンといったところで、彼がサイドで参加した作品にはハズレがない。スウェーデンのアルティスト、フレドリック・クロンクヴィストのこのリーダー作でも思索的で美しいソロを聴かせてくれる。

アーロン・ゴールドバーグはリーダー作も少なくないけれど傑作といえるほどの作品はないように思う。器用貧乏なのか、奥ゆかしく控え目なのか、サイドに回った方が抜群にいい。現代のジャズは個性を競うのではなくグループエクスプレッションを重視する。そんな時代のピアニストなのだろう。
ケニー・バロンに倣えば、トリオでのライブかクインテット作などで、傑作を残してくれそうだがどうだろう。