藤原新也 写真展

世田谷美術館で開催中の藤原新也の写真展を見に行った。
大きなパネルにプリントされた写真は当然とはいえ迫力がある。いきなり入口の蓮の華に圧倒された。

拡大しても粗さは感じられなかったし、色調も念入りにコントロールされていた。写真に添えられたコピーは必要最小限に抑えられ、写真展としてはバランスも良かったと思う。ちょっと興味深かったのが、ハロウィンでお祭り騒ぎの渋谷の街を藤原新也が仮装して撮影している映像。会場の片隅で流れていたもので、撮影対象との距離のとり方がわかる貴重な映像だった。

撮影可というものの、スマホで撮影する人はほとんどいない。さまざまな年齢層の人々が食い入るように熱心に見ていた。インスタなどSNSへの投稿とは異なる価値が写真にはある。これまでの仕事を集大成した見応え十分の展覧会に、写真の力をあらためて感じることができた。