稲田御坊

茨城の親戚宅へ挨拶に行きがてら、笠間まで足を伸ばし、親鸞が布教の拠点としていた「稲田御坊」を訪ねた。
親鸞が笠間で布教活動をしていたことは知られていても、20年もの長い期間この地に住まいをおいていたことはあまり知られていないように思う。笠間に宗教都市としての雰囲気は感じられないし、稲田は市街地から遠く離れた田舎でしかない。長い歳月は、親鸞という強い影響力をもつ人間ですら、その生きた痕跡を消してしまう。

親鸞の死後、草庵があった地には西念寺という寺が建てられた。その裏山には六角堂という廟があり、親鸞の遺骨がおさめられている。訪れる人も少なく、静かに親鸞を感じることができた。