極東のジャズ1974

鈴木勲 blue city
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ベーシストの鈴木勲が亡くなった。新型コロナウイルスに感染したことによる肺炎という。高齢での感染が致命的だということをあらためて思う。遺族を思うと、なにも最後にコロナに感染しなくてもと思ってしまうが、思うように生きた結果ということだろうか。享年89。合掌。

ジャズの名盤ガイドブックなどでは鈴木勲の代表作としてTBMの『Blow Up』が取り上げられることが多い。ただ、とっ散らかったところがある作品で、よりポピュラーなのは『Blue City』のほうではないかと思う。
『Blow Up』を初めて聴いたのは、吉祥寺のジャズ喫茶「A&F」。かかるのは「Play,fiddle,play」 の入ったB面のほうだった。昭和歌謡のようなムードをもつこの曲は一度聴いたら忘れられない。続く表題曲「Blue City」もブルージー。A面には「Sweet Love Of Mine」と同じ曲である「45th Street」も収録されている。
アルバム全体が湿り気たっぷり。発表は1974年。半世紀近く前の日本でしか生まれ得ない極東のジャズがパッケージされている。