リチャード・ウィリアムスに何が足りなかったのか

richard williams new horn in town

輝かしい音色の正統派トランペッター、リチャード・ウィリアムス。これだけの実力を備えながらリーダー作がこれだけというのは不思議でならない。一聴、「リー・モーガンじゃないしなぁ、クリフォード・ブラウン? 」と思う人も少なくないのではないだろうか。
リー・モーガンリチャード・ウィリアムス、彼我の知名度や評価を比較すると、世の中は実力だけでは渡っていけないということを痛感させられる。「I remember cliford」はリー・モーガンに真っ向から勝負を挑んで互角に持ち込んでいるし、美しい音色で歌い上げる 「over the rainbow」もうっとりさせられる。バピッシユなオリジナル曲での切れ味鋭いプレイも素晴らしい。

「運根鈍」などと言うけれど、根はなんとかするとしても、運と鈍は自分ではどうにも出来ない。日本人でいうなら、"鈴木太郎"といった感じの名前からして個性を競うにはマイナス。リチャード・ウィリアムスには運も鈍もなかったような気がしてならない。