社会の木鐸

レイプ犯、山口敬之の逮捕を揉み消した男が警察庁長官に就任したのは昨年9月。菅義偉の片腕として番犬の役割を果たしてきた論功行賞人事だった。
安倍晋三銃殺事件で警備の不手際の責任を取らされるかたちで事実上の更迭となったわけで、岸田文雄菅義偉が不仲であることを示す人事といっていいだろう。

風貌からも下衆さが滲む男が警察トップまで出世することに、社会の劣化を感じざるを得ない。宮台真司にいわせると、感情が劣化した平目人間。教養がない小賢しい合理主義者の典型だ。菅義偉もこうしたタイプで、同質のものを感じて取り立てたのだろう。

残念ながら日本ではこういう男が珍しくない。さまざまな組織で下衆が出世し、権力と地位を得ている。
メディアはせめて、水に落ちた"官邸の犬"を容赦なく叩くべきだ。数々の悪行を追及して事実を白日の下に晒し、こうした輩が再生産されないよう"社会の木鐸"としての役割を果たしてもらいたい。