歴史に埋もれてしまったグループ

the mastersounds
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グループ名をThe Mastersoundsとしたのは、なぜなんだろう。アドリブの応酬よりもグループとして完成度の高い演奏を追求しようとしたからだろうか。それとも最高の職人芸を聴かせようという意気込みを表したのか。いずれにせよ、この名称は失敗だったように思われる。

名盤ガイド本などで、このグループの作品を取り上げられているのを見たことがない。MJQと同じ楽器編成だし、特筆すべき個性があるわけじゃないからMJQを取り上げれば十分ということかもしれない。
評論家からは無視され、ジャズの歴史にも登場しない忘れられたグループだけれど、演奏技術は確かだし、すっきりした素直な演奏は誰もが楽しめるもの。日本酒でいえば「上善如水」のような手軽で癖のない味わいだ。

『Swinging with the Mastersounds』と『A Date With The Mastersounds』をカップリングしたこのCDはスタンダード集で、オリジナルジャケットはこちら。

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これじゃ、イージーリスニングを演奏するグループと勘違いする人もいただろうなぁ。せめてカップリングで再発したときに、もう少しジャズらしいデザインにしていれば良かったのにと思ってしまう。今からでも‥‥遅いか。