チャーリー・ヘイデンの凄み

alice coltrane translinear light

impulse時代のコルトレーンを聴くには覚悟が求められる。だからめったに聴かないのだけれど、ふと耳にするときがあって、宗教的深遠さに圧倒されおのずと内省的になる。

アリス・コルトレーンの遺作となったこの作品もそんなコルトレーンの磁場にあるのだけれど、意外と聴きやすい作品になっている。ラヴィ・コルトレーンのテナーも良い。
いちばんの聴きどころはなんといってもチャーリー・ヘイデンの重厚なベース。いつもゴムのようなビヨンビヨンという感じのチャーリー・ヘイデンのベースが、こんなに凄い音でとらえられた作品はないのではないか。チャーリー・ヘイデン最高の演奏だと思う。
アリス・コルトレーンは、この録音を残してわずか3年後の2007年に旅立った。すべてを出し切った満足感に包まれて逝ったに違いない。