追悼 カーラ・ブレイ

カーラ・ブレイが亡くなった。87歳というから天寿を全うしたということになるのだろう。でも、まだまだシーンに喝を入れるような作品を発表してくれそうな気がしていただけに、残念であり寂しい。

数十年前のこと。吉祥寺のバー「アウトバック」で『Fleur Carnivore』に収録されている「Healing Power」が流れ、その迫力に圧倒されたのがカーラ初体験だった。
ジャケットを記憶して帰り、すぐに入手。以来聴けば聴くほどカーラの魅力に取り憑かれた。

Carla Bley Fleur Carnivore

バンドリーダーであり、ピアニスト、コンポーザー、アレンジャーであるカーラの才能は、デューク・エリントンに比肩すると言ったら評価し過ぎだろうか。
カーラ・ブレイのジャズは白人による最良のものであり、ジャズジャイアンツに数えられるべき人だと思う。チャーリー・ヘイデンとのコラボレーション によるliberation music orchestraも素晴らしい成果だ。

最後のリーダー作のタイトルは『Life Goes On』。人生の終わりを迎えつつあったカーラがどのような思いをタイトルに込めたのかわからないけれど、彼女の音楽は永遠に輝き続ける。合掌。