落下の解剖学

カンヌ映画祭パルム・ドールを受賞した『落下の解剖学』を観た。
感情が爆発するシーンでも演技過剰にならず、抑制的な主人公の演技が素晴らしかった。夫婦間の関係が法廷で暴かれていく過程は迫力があって、2時間半緊張感が持続した。
後味の悪さを感じるのは、主人公の人間性に今ひとつ共感できず、疑惑が解消されないからだろう。そこまで計算づくなのだから、やはりフランス映画は一筋縄ではいかない。