片山広明と板橋文夫の破壊力

片山広明 quatre
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片山広明の咆哮と板橋文夫のニッポンソウルが混じり合うヘビー級作品。2002年発表だからちょうど20年前ということになる。比較的最近の作品と思っていたが、月日が経つのはほんとうに早い。

1990年代以降の板橋文夫は、実験的な色合いが濃くなって正直辛いときがあるけれど、歌い上げるときの節回しには涙腺を崩壊させる破壊力がある。片山広明の粗野でシャイな男っぽいテナーを板橋のピアノががっちりと受け止め、唯一無二の世界が繰り広げられる。板橋オリジナル「For You」とレナード・コーエン「hallelujah」に涙腺が緩まない人はいないだろう。
こんなジャズは世界中どこにもない。こんなジャズはもう二度と生まれない。残念ながら再発もされないだろうなぁ。