2万1900円とテレビの存在意義

首都圏の私大下宿生の生活費(家賃を除く)は、月2万1900円、1日あたりに計算すると730円だという。1990年度に比べ約7割減というから、1日2400円余りから730円に減ったことになる。
こういう数字をみると、暗澹たる気分になる。730円では雑誌や文庫本が一冊買えるかどうか、それ以前に定食を食べたらおしまいだ。
地方経済の疲弊ぶりは想像を上回り、子供に満足な仕送りができない家庭がほとんどだ。アルバイトで稼いでなんとかとしてでも上京したいと思う若者は少ない。
流動性が失われた社会は没落の道を歩む。それを肯定するエセ社会学者がテレビのコメンテーターとして小遣い稼ぎをしている。もはやテレビは文句を浴びせるためにだけ存在する。