ジョナサン・クライスバーグの真髄

jonathan kreisberg capturing spirits
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美しい音色と都会的なサウンドでコンテンポラリーギターの王道を歩むジョナサン・クライスバーグ。2019年に発表されたこの作品は、リーダー作としては今のところ最新作になる。

テクニック抜群、おまけにイケメンで、スターの資質十分なのに日本ではあまり人気がないのか、ディスクユニオンの店舗ではあまり見かけない。たまに中古を見つけてもCriss Cross盤が多い。Criss Crossの3枚は悪くはないのだけれど、レーベルカラーのせいか、いずれも、おとなし過ぎて面白味に欠ける。代表作とされる『The South of Everywhere』も1曲目で期待が高まるものの尻すぼみ。この人のギターは美しさが持ち味ではあるけれど、もっと弾きまくってほしいと感じていた。

この作品はそんなモヤモヤした気分を一気に解消してくれる傑作。ライブということもあって、ジョナサン・クライスバーグの実力が存分に発揮されている。スピード感溢れる6曲目で最高潮に達し、ラストの『Body and Soul』の美しい演奏で締めくくる流れも完璧。バックも魅力はないものの、マイナス点にはならない。マイナス点は録音のクオリティとジャケット。どちらも我慢できないレベルではないが、もう少しなんとか‥‥。
これは現時点での最高作だけれど、まだまだ底知れぬ可能性を感じる。しばらく追っかけていこうと思う。