梅雨の合間にウィントン・ケリー

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肌感覚でしかないのだけれど、いまウィントン・ケリーは、以前ほどの人気はないのではないだろうか。CDショップの店頭を見ていても、ケリーのCDが再発されることも発掘音源が発売されることも少ない。

洗練されたケリーのピアノは、かつてオシャレなジャズピアノとして売られていた。「小粋にスウィングする」なんて表現が、ケリーのピアノを評する常套句だった。
それからしばらく経ち、ジャズピアノのメインストリームがバップ系からビル・エヴァンス系に移ったときに、「オシャレ度」という点でケリーの立ち位置は微妙になってしまった。常套句は陳腐化し、マーケティングは道を見失った。

梅雨の合間に、からりとした晴れの日が続く。
そうだケリーの「On A Clear Day」を聴こう。ケリーのピアノは陳腐化などしていない。「晴れた日に永遠が見える」。陳腐化したのはマーケティングなのだ。