レスター・ボウイと清志郎

lester bowie's brass fantasy
when the spirit returns
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ポップで楽しいブラスファンタジー。ドレフェスレーベルに遺したこのアルバムは、ECMやDIWの諸作より力が抜けていて最初から最後まで楽しめる。

レスターボウイはディスクユニオンではトランペットのコーナーではなくアートアンサンブルオブシカゴの中に入れられフリーとして扱われている。それはそれで間違ってはいないけれど、ちょっとさびしい。ここでの演奏などはフリーとは程遠いポピュラーミュージックだし、数少ない真のジャズジャイアンツなのだから。

レスター・ボウイの大衆芸能的なジャズも革新的な即興ジャズも、ブラックミュージックの伝統と肉体性に根ざしている。開いている花が違うだけ。この振れ幅の大きさがレスターボウイなのだ。
自由を讃え、人間の尊厳を謳い上げる。音楽の素晴らしさを体現したジャズジャイアンツ。58歳という若さで亡くなってしまったのが残念でならない。そういえば、忌野清志郎も58歳で逝ってしまった。この二人、どことなく似ている気がする。