名脇役アーロン・ゴールドバーグに花束を

Fredrik Kronkvist Reflecting Time
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注目の若手ピアニストだったアーロン・ゴールドバーグも、いまや40代半ばになった。目立ち過ぎず調和を保ちながら輝きを放つピアノは、抒情的なケニー・バロンといったところで、彼がサイドで参加した作品にはハズレがない。スウェーデンのアルティスト、フレドリック・クロンクヴィストのこのリーダー作でも思索的で美しいソロを聴かせてくれる。

アーロン・ゴールドバーグはリーダー作も少なくないけれど傑作といえるほどの作品はないように思う。器用貧乏なのか、奥ゆかしく控え目なのか、サイドに回った方が抜群にいい。現代のジャズは個性を競うのではなくグループエクスプレッションを重視する。そんな時代のピアニストなのだろう。
ケニー・バロンに倣えば、トリオでのライブかクインテット作などで、傑作を残してくれそうだがどうだろう。

ビバップに取り憑かれた男

red rodney quintets 1955-1959
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CDを処分しようと、長らく聴いていないものを取り出して聴き直していると、なにかしら''発見"があるから困る。
レッド・ロドニーの3作品をCD2枚に収めたこのアルバム、あらためて聴いたところ、遅ればせながらレッド・ロドニーが抜群に上手いトランペッターだということに気がついた。
トランペットはストレートによく歌うし、アイラ・サリバンのテナーもスムーズ。いずれもビバップの良さを味わえる録音ぞろい。これはお得な3in2だ。ほとんど聴いておらず処分しようかと思ったが、キープしよう。

レッド・ロドニーは日本ではあまり人気がない。ブルーノートをはじめとするメジャーレーベルに録音していないうえに、ビバップ一筋ではむべなるかなといったところ。ところが、筋金入りのビバップをLP3枚分浴びているうちに、シンプルで切れ味鋭い演奏に惹かれていく。気づいたら、Amazonでレッド・ロドニーの別のアルバムを購入してしまった。
CDを処分しようとしていたはずなんだけどな‥‥。

北国の春

大阪の感染拡大の様子を見ると、まもなく東京も感染者が急増するはず。また泊まりに行くことができなくなりそうだ。ということで、週末はお気に入りの温泉でのんびり過ごすことにした。

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源泉かけ流しの透明度の高いお湯、天井の高い湯屋。手入れの行き届いた館内。甲子温泉大黒屋は庶民的な秘湯の宿で、いつ来ても満足度が高い。
インバウンド需要をあてにした高級宿や富裕層相手の星野リゾートなんていらない。温泉は庶民の文化であるべきだ。お湯が良く過不足のない宿がいちばんいい。

翌日は三春の滝桜が満開ことで足を伸ばした。道すがらあちこちで桜が咲き誇っている。こぶしも桃も一斉に咲いている。これぞ北国の春
三春に入ると枝垂れ桜が増えてくる。これだけたくさんの枝垂れ桜を観れるのは、三春だけではないだろうか。

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観桜料を払い滝桜を観る。菜の花と同時に満開を迎えていて見事。福島の春は素晴らしい。

それにしても滝桜は20代のころに一度観たはずだが、なぜかまったく記憶が甦らなかった。記憶違いだろうか。

4月最初の金曜日

4月になったので、気分新たに出社してみた。
人が多いし、街はうるさい。若者の集団があちこちにいる。新入社員の集団だ。コロナ下で就職活動を勝ち抜いたのだろうか。コロナを警戒しているのは、くたびれた人たちだけだ。

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あぁ、結局日本は変わらない。原発はなくならないし、自民党政権も変わらない。属国は落ちるところまで落ちないとダメなのだろう。
休日は逃避しよう。春浅きところへ。

ハービー・ニコルスは楽しい

ブックオフへ行くと、普段なら買わないようなものでも買ってしまう。ありふれた盤ばかり置かれているせいで、ちょっと引っかかるものがあると、買ってみようかという気になるのだ。おかげで新しい出会いにつながることもある。これはその一つ。

herbie nichols trio
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聴いてみようと思ったことがなかったハービー・ニコルス。ブックオフで見つけて入手したのが1年ほど前のこと。以来、仕事中に流している。
モンクをややこしくした感じだろうかと身構えていたところ、案外聴きやすくて楽しい。飽きがこないのは、良くも悪くも曲やメロディが印象に残らないからだろうか。

なんにせよ田舎者はついつい期待してしまう。
期待値は低く抑えたほうがいいこともある。