国葬をめぐって

多くの国民の反対を押し切って安倍晋三国葬が強行された。岸田内閣は取り返しのつかない大失態をやらかしてしまった。
作家の保阪正康がBSの報道番組で国葬を実施したこと、および岸田文雄を厳しく批判していた。安倍晋三国葬としたことを決して認めてはならないし、それを歴史に残さなければならないという発言には、保阪氏の怒りと歴史への責任感が強く滲む。不見識で軽いという岸田批判は、すべての日本人に向けられているかのようだった。
保阪氏がいうように、今回の問題が日本人の政治に対する無関心さを変える契機になれば良いけれど、見通しは暗いと言わざるを得ない。献花する人々の長蛇の列、素直なのかバカなのかわからない若者たち。敗戦後の日本は経済的豊かさを得るかわりに教養や見識を失った。いまや豊かさも失い、行き先も見失って漂流するばかりだ。