bennie green hornful of soul
このベツレヘム盤は、これまで聴いたことがなかった。アーシーなムードが心地よい佳作だ。
コンガとオルガンが入った「Summertime」なんて、どう考えても変な気がするが、これがなかなか面白い。リーダー作ではいまいち感が否めないジミー・フォレストもサイドに回ると良い仕事をする。
マル・ウォルドロンは前年にベツレヘムで『Left Alone』を録音しており、そのときのプロデューサーはヴィブラフォンプレイヤーでアレンジャーのテディ・チャールズ。このアルバムも彼がプロデュースを務めている。ミュージシャンとしては地味なテディ・チャールズだが良い仕事をしている。
地味な職人が集まって丁寧な仕事をした結果、聴きごたえのある作品に仕上がった。まるで餡づくりが丁寧な和菓子屋のどら焼きのようだ。新しさはないけれど、この味わいは忘れがたい。