遅れてきた男、ジョナサン・ブレイク

トム・ハレルのもとで鍛え上げられたジョナサン・ブレイク。昨年亡くなったロニー・スミスの最晩年を支え、ブルーノートから老オルガニストの代表作を送り出すのにも貢献した。

この人のドラムはビシバシと強い。しなやかでキレの良いドラムがメインストリームのなかで無骨で男臭い。手数も多く、ときにうるさく感じるときもあるが、なにしろ推進力がある。
それを最も感じさせるのがCriss Crossからの2作目。

johnathan blake Gone.but not forgotten
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1作目とは対照的なシンプルなメンバー構成ながら、迫力満点の演奏が続き飽きさせない。サウンドクリエイターとしての資質も十分。鬼籍に入った偉大なミュージシャンたちへの敬意を表したところも高感度が高い。これは名盤といってよいのではないだろうか。

初リーダー作が2012年、現在45歳と、もはや中堅だが、これからどんな作品を生み出してくれるか楽しみだ。ブルーノートからの新作も良さそうで、しばらくSpotifyの無料サービスで我慢しながら聴くとしよう。