ヨタム・シルバースタインと無国籍化するジャズ

yotam silberstein resonance
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Dr.ロニー・スミスのアルバムでジョナサン・クライスバーグのギターが最高だったので、彼の旧作も含めてギターアルバムを集中的に聴いていた。
見直したのがこれ。ヨタム・シルバースタインの2010年発表の3枚目のリーダー作。ゲストで参加しているロイ・ハーグローヴが今ひとつ元気がないように思えたせいか印象が薄く、ほとんど聴いていなかった。あらためて聴き直して、まろやかな音とメロディアスなアドリブにホレボレしてしまった。カルロス・アギーレとのデュオも素晴らしかったが、10年以上前のこの作品も、オーソドックスながら型にはまらないという独特の柔らかさがいい。

このところイスラエル出身のジャズミュージシャンが次々と登場するのは、どういうわけなんだろう。バークレーに日本人留学生が一番多かったのは1990年代だというから、国の経済力を反映しているのは間違いない。イスラエル経済も好調のようだ。

こうしてジャズは世界音楽となり無国籍化していく。ブルースから遠ざかってもジャズは当面形式として残る。そこからワクワクする音楽が生まれてくるかどうか。このところ南米音楽に傾倒しているヨタム・シルバースタイン。越境しながら新しい音楽を創造する彼に期待しよう。