情熱と哀愁のチャーリー・マリアーノ

charlie mariano spanish impressions
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情熱を内に秘めるアート・ペッパーとは対照的に、チャーリー・マリアーノのアルトは情熱を外に発散する。それはときに鬱陶しいのだけれど、スパニッシュな曲にはマリアーノのアルトが良く似合う。バックも腕利き揃いで、完成度の高い作品に仕上がった。

マリアーノがスペイン音楽と出会ったのはいつのことかわからない。けれどもミンガス畢生の名作『The Black Saint and the Sinner Lady』に参加したことが、スペイン音楽への造詣を深め、このアルバムにつながっているような気がしてならない。2作の間には35年の歳月が流れている。あの作品にマリアーノを起用したミンガスの慧眼に恐れ入る。