追悼 カーティス・フラー

カーティス・フラーが8日に逝去したという。享年86。
カーティス・フラーといえば『Blues ette』だけれど、個人的にはブルーノートの『Bone & Bari』も印象深い。
ブルーノート2作目のリーダー作であるこの作品は、トロンボーンバリトンという2つの低音楽器がフロントをつとめる。名盤として取り上げられることはあまりなく、カーティス・フラーのファンかブルーノートのコレクターでなければ、そうそう手が伸びる盤ではないと思う。しかし、これは傑作だ。

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まず冒頭の「Algonquin」の迫力にたじろぐ。テイト・ヒューストンのバリトンも快調。ソニー・クラークが鈍い光を放つと、ブルーノート特有のムードが漂う。全6曲、捨て曲はない。

カーティス・フラーのファンは、それほど多くはないかもしれない。でも、カーティス・フラーほどハードバップの魅力を体現したジャズマンはいない。ゴルソンハーモニーも3管ジャズメッセンジャーズもこの人がいなければ成り立たない。音楽的センスに優れ、作曲能力も高かった。アドリブよりも、醸し出されるムードが魅力的なレジェンドだった。合掌。