軍国教育の残滓

森喜朗の後任は川淵三郎だという。あぁなるほど、その手があったかと感心しつつ、そんなに日本は人材不足なのだろうかと脱力してしまった。

Jリーグ立ち上げに尽力した川淵三郎だが、すでに84歳という高齢。昭和11年生まれだから終戦時は9歳ということになる。この世代は軍国教育を徹底的に受けたことで右翼的思想の持ち主や、国士たらんとする人が少なくない。川淵もその一人であり、石原慎太郎などと共通するものがある。戦前の軍国教育を受けてきた最後の世代だ。

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男尊女卑的な考え方が自然にインプットされているから、森と同じような失言をしてしまう可能性はある。とはいえ、このタイミングでは人身を一新することもできず、川淵にバトンが渡されたというところだろう。この交代劇には辞任に至った原因に目を向けた形跡は一切うかがえない。

軍国教育の価値観に染まった人々がいまだに日本を動かしている。終戦から75年。教育というものは、かくも長く、大きな影響を及ぼすものなのだ。